保険年金

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止まらない円安。外貨建ての積み立ては本当に得するの?

止まらない円安。外貨建ての積み立ては本当に得するの?

止まらない円安。外貨建ての積み立ては本当に得するの?

円安についての話題をニュースなどで目にする機会が増えてきました。2022年10月19日には外国為替市場で円相場が一時149円30銭台に値下がりし、これはおよそ32年ぶりの円安水準を更新したとのことです。

円安になると国にとってはメリットとデメリットがあります。メリットとしては日本から海外に売り出す商品等の価格が相対的に安くなるので、海外への輸出が増えることが挙げられます。逆にデメリットとしては海外の商品を輸入するためのコストが上がり、様々なものの価格が高騰する可能性があります。

これらのデメリットは私たちの生活にも密接に関わっており、輸入品で作った製品などの価格が上昇して物価が一時的に上がり、生活するための負担が大きくなります。

その他にも外貨建てで購入しているものや、外貨建ての保険商品を積み立てている場合には毎月の積み立て金額が増え、家計を圧迫してしまうこともあります。また、外貨建てで積み立てているものに関しては、解約の際に為替がもし円高になっていたら損をする可能性もあります。

なので今回は、為替の変動と外貨建ての保険商品について実際に得をするのかどうかを検討していきたいと思います。

【INDEX】

■為替と外貨建て保険

・最近の為替動向

・外貨建て保険商品

■外貨建て保険商品はどうなの?

・外貨建てのメリットとデメリット

・為替変動リスクとドルの積み立て

為替と外貨建て保険

最近の為替動向

最初にも述べたように、現在日本の円は急激に円安に傾いており2022年10月19日時点ではおよそ32年ぶりの円安水準となっています。円安とは、外貨に対して購買力が低いということであり、他の国の通貨建てのモノを購入する力が弱くなっていることを表します。

この円安の背景には日本とアメリカの間での金利差が関係しており、日本の低金利政策に比べてアメリカはインフレ抑制のための利上げ政策を発表しているため、ここに大きな金利差が生じ日本の通貨である円が売られてアメリカの通貨であるドルが買われることによってドル高円安というような流れになっています。

今後もアメリカは利上げを続けていく姿勢を見せているのでこのまま日本が低金利政策を続けていくとまだまだ円安の流れが続く可能性があります。

外貨建て保険商品

次に、外貨建ての保険商品についてみていきましょう。

外貨建ての保険商品というものは、外貨をベースに保険料や保険金が決められる商品です。なので保険料が毎月100ドル、保険金が50000ドルというように、毎月の支払いも保険金の受け取りも外貨ベースになっています。

となると、この商品を扱う際には為替の変動が毎月の保険料と保険金に大きな影響を及ぼします。

特に資産形成を目的とした積み立ての商品の場合には最終的に解約や満期を迎えてお金を円にして取り戻すことを出口としているので、支払うときの為替と、解約・満期を迎えるときの為替によっては損をする場合もあります。

外貨建て保険商品はどうなの?

為替の変動によっては損をしてしまう可能性がある外貨建て保険商品ですが、逆に為替の変動によって得をするケースもあります。では、実際に外貨建ての積み立て保険商品の活用は資産形成をするにあたってどうなのでしょうか。

外貨建てのメリットとデメリット

まずは外貨建て保険商品のメリットとデメリットを整理していきましょう。
(メリット)
・円建てに比べて利回りが高い
・ドルを積み立てることができる
・為替の変動によって利益がある場合がある

外貨建て保険商品にはたくさんのメリットがあります。その中でも最も重要なのが利回りの高さです。運用ができる保険商品には様々な種類がありますが、一般的に保険の資産は債券で運用されています。(株式で運用される変額保険というものもあります)ドル建ての保険商品の場合、アメリカの債券の金利をベースに利回りが決定されるので、日本に比べて金利の高いアメリカの通貨であるドル建てで運用することによって比較的高い利回りで運用することが可能になります。

また、ドルという通貨自体を積み立てることができるということも大きなメリットになります。アメリカのドルは世界の基軸通貨と言われており、世界3大通貨のうちの1つです。

円も世界3大通貨に数えられる立派な通貨ですが、通貨間での価値は為替の変動によって大きく変わるのでタイミングによってはどちらかが有利になる場面があります。
実際、現在は円安に傾いているのでドルで持っていた方が有利になります。

(デメリット)
・為替の変動によって損する場合がある
・早期で解約すると解約控除が発生する可能性がある

次にデメリットですが、これは為替の変動による円に換算したときの価値の変化が大きなデメリットとなります。資産を増やすために積み立てて運用をしていたのに数十年後に結局減っているとなるとあまり意味はないですよね。数十年の期間が経つと、ドル円の為替は数十円変動しますし、下手すれば数百円変動する可能性だってあります。

1ドルあたり200円で購入したドルが1ドルあたり100になっていてもおかしくありません。そのようなことになると、いくら利回りの良い外国の債券で運用したとしても円に換算した時に損してしまいます。

為替変動リスクとドルの積み立て

これらを踏まえると、外貨建ての保険商品を活用して運用することは非常に良い手段ではありますがリスクはあるということになります。

実際、現在のように円安に進んでしまうと毎月の積み立て保険料の金額が大きくなり、家計を圧迫する恐れがあります。
それでも毎月積み立てられる余裕があれば良いのですが、必要な支出を削減してまで無理に積み立てるのはあまり良いとは言えません。

しかし、将来のために円だけでなくドルを積み立てておきたいという場合には毎月〇〇ドルという積み立て方ではなく、毎月〇〇円という風に円ベースで金額を決めて積み立てる方が良いかも知れません。

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