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意外と知らない?!保険診療・自由診療・先進医療の違いとは

意外と知らない?!保険診療・自由診療・先進医療の違いとは

意外と知らない?!保険診療・自由診療・先進医療の違いとは

病気やケガなどで病院を受診した際、国民健康保険や健康保険組合等の保険証を提示すれば一般的には医療費の自己負担は3割で済みますが、これは保険診療を受けた場合に限られています。
同じように病院を受診した場合でも、治療や検査などの内容によっては公的医療保険が適用できずに全額自己負担になってしまったり、治療費の一部だけしか保険が適用されないといったケースもあります。
これらは同じ病院の治療でも何が違うのでしょうか。今回は、意外と知られていない保険診療・自由診療・先進医療のそれぞれの違いについてお伝えしていきます。

【INDEX】

■保険診療・自由診療・先進医療の違いとは

最後に

 

保険診療・自由診療・先進医療の違いとは?

私たちが医療機関で受けられる治療・検査には大きく分けて3つの区分があります。それぞれ内容を見ていきましょう。

◆保険診療とは
保険診療とは、国民健康保険や健康保険組合・協会けんぽなどに加入している人が受けられ、公的医療保険制度の対象となる治療や検査のことです。国民健康保険法や健康保険法に基づいて治療方法と診療報酬が明確に決められているため、日本のどこの病院を受診しても診療内容が同じであれば医療費は変わりません。
一般的にはかかった医療費の3割が自己負担とされ、残りの7割は国・自治体や加入している健康保険組合などによって賄われています。またひと月にかかる医療費が一定額を超えて高額になった場合は、高額療養費制度により実際の自己負担額を抑えることができ、支払った金額については医療費控除の対象となります。
国の制度により医療費が安く済む保険診療ですが、一方でデメリットもあります。対応できる病気や実施できる処置が指定されていること、また治療で使用できる薬剤等が限定されていることなど細かい規定や制限があり、希望する治療が必ずしも保険診療に該当するとは限らないということを覚えておきましょう。

◆自由診療とは
自由診療とは、簡単に言うと公的医療保険制度が適用されない医療技術や治療のことです。保険診療とは異なり、治療にかかる費用は全て自己負担(10割負担)となるのが特徴です。一方で保険診療のような細かい規定や制限がなく、患者側の希望に沿った治療や検査を受けることができます。

自由診療の具体例
●レーシックなどの視力矯正手術
●インプラント、歯列矯正
●遺伝子療法
●人間ドック、がん検診
●不妊治療、体外受精
●美容整形手術
など

自由診療を選択することで、自分に合った治療や最先端の治療を受けられることはメリットですが、全額自己負担のため医療費が高額になりやすい点は注意が必要です。また高額療養費制度は適用できず、一般的には医療費控除の対象外となります。(一部例外もあり)

◆先進医療とは
先進医療とは、厚生労働省が認めた先進性の高い高度な医療技術のことで、定期的に内容が見直され令和4年1月1日現在81種類が先進医療に指定されています。
費用については、「先進医療に係る費用」と「それ以外(診察・検査・投薬・入院料等)」に分けられます。先進医療に係る費用については全額自己負担となりますが、それ以外の部分については公的医療保険が適用され高額療養費制度の対象となります。また一般的には医療費控除の対象となりますので、治療を受けた際の領収証は大切に保管しておきましょう。

先進医療の具体例
●陽子線治療:放射線の一種である粒子線(陽子線)を病巣に照射することにより悪性腫瘍を治療
●重粒子線治療:重粒子線(炭素イオン線)を体外から病巣に対して照射する治療法
●MRI撮影及び超音波検査融合画像に基づく前立腺針生検法
●腹腔鏡下膀胱尿管逆流防止術:腹腔鏡下に膀胱外アプローチにより尿管を膀胱筋層内に埋め込み逆流防止を行う
●家族性アルツハイマー病の遺伝子診断
など
※「厚生労働省 先進医療の各技術の概要(令和4年1月1日現在)」より抜粋

先進医療については受けられる医療機関や対象となる症状等が予め決められており、承認されていない医療機関で先進医療と同様の治療・手術を受けても先進医療とは認められません。
実際に受けるには様々な条件があり、どこでも誰でも受けられるというものではありませんので、詳細については厚生労働省公式ホームページで内容を確認するようにしましょう。

最後に

今回は、保険診療・自由診療・先進医療のそれぞれの違いについてお伝えしました。
内容や仕組みについてはそれぞれにメリット・デメリットがあり、実際に負担する自己負担割合が異なります。また受ける治療内容によって、高額療養費制度や医療費控除の対象か否かが変わってきますので内容については事前の診察などで確認しておくようにしましょう。
特に自由診療については医療費に定めがなく、病院側が自由に金額を決めてよいことになっているためかかる費用が高額になりがちです。それぞれの特徴を踏まえ、経済的負担も考慮しながら治療方針を決めるようにしましょう。
一般的にはこうした医療費への備えとして、医療保険やがん保険に加入する場合が多いかと思います。どのような治療を受けたらいくら給付金がおりるのか、自由診療や先進医療の取り扱いについても保障内容を確認しておくようにしましょう。保険については、いざというときにきちんと保障がおりるかどうかが重要です。その際これらの仕組みや概要については、本記事の内容もご参考頂ければ幸いです。

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