資産運用

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不動産投資って今でも儲かるの!? 目的別にお答えします!

不動産投資って今でも儲かるの!? 目的別にお答えします!

不動産投資って今でも儲かるの!? 目的別にお答えします!

「不動産投資は、今から取り組んでも儲かるのでしょうか?」
自分自身も不動産投資をしながら、FPとして活動している著者の元には、こうしたご相談がよく寄せられてきます。

たしかに、不動産投資の市況は、ここ数年で大きく様変わりしました。

一部で発覚した不正融資事案により、金融機関の融資引き締めが全国的に連鎖してしまいましたし、欠陥建築やサブリースなどの問題が相次いで発覚したことにより、素人が不動産業界に手を出すことへの危うさが露呈する形となりました。
では、不動産投資への新規参入者が減ったのかといえばそうでもないようで、相変わらず不動産業者のセミナーは活況ですし、書店やSNSなどでは不動産投資関連のネタが溢れており、ブームはまだまだ継続中。
物理的・心理的な参入障壁が顕在化したうえに、先行者利益どころか競合が増え続ける状況ですから、不動産投資という資産運用に疑問を抱くのは無理からぬことではあります。

では、著者が冒頭の質問を受けた場合、どのようにご回答しているでしょうか。
ご回答にあたっては、著者はご相談者の「目的」と「覚悟」を必ず伺うことにしています。
そのお返事によって、回答する内容も変わってくるためです。
本稿では、不動産投資の目的を、

①短期間でFIREすること

②老後に備えておくこと

といった比較的多い2つのパターンに分けて、回答例を考えていきます。
これから不動産投資を検討しようと思っている方は、是非参考にしてみてください!

※なお、既に十分な資産がある場合や不動産業界に特別な縁のある場合などはこの限りではありませんので、その点は予めお断りしておきます。

■パターン1 不動産投資の目的は「短期間でのFIRE」!

一つめのパターンは「短期間でのFIRE」です。
“FIRE”とは、「Financial Independence, Retire Early(経済的自立・早期リタイア)」のこと。
日本でもすっかりこの言葉が定着し、不動産投資でFIREした先輩大家さんに感銘を受けて、「自分も不動産投資を通じて資産を大きく拡大して、数年後にはFIREしたい」と思う方は、とても多くいらっしゃいます。

では、いまの不動産投資の市況でこれからFIREは目指せるのでしょうか?
結論からいえば、いまからでもFIREは可能です。

但し、今の市況で短期間でのFIREを目指すには、人気の「リスクの低い都心部で収益物件を購入して家賃収入を積み上げる」といったやり方では難しいことは認識しておく必要があります。
一般に、都心部の賃貸物件は長期間の空室となるリスクが低く、家賃収入を予測しやすいメリットがあります。
また、都心部には多くの不動産業者があり、賃貸運営の大半を簡単にアウトソースすることができることから、本業が忙しい会社員・公務員の方であっても手を出しやすい点も人気の理由です。

しかし、その反面、都心部の収益物件は利回りが低い傾向にあります。

加えて販売価格も高額ですから、よほど大きな自己資金がなければ短期間にFIREを可能とする規模まで買い進めることは難しいのです。(金融機関からの融資も、以前より厳しくなっている点は冒頭記載のとおりです)

では、短期間でのFIREを目指すにはどうすればよいでしょうか?
あくまで一例ではありますが、以下のような投資手法の検討が現実的です。

●比較的利回りの高い地方・郊外での不動産投資

●短期間での売却を繰り返す不動産投資

●訳あり物件の再生、土地から新築など、事業性のある不動産投資

しかし、これらは初心者が高確率で成功できる投資手法とは言い難い面もあります。
地方・郊外といっても、まったく縁のない場所では融資を付けることが非常に難しいうえ、購入後も空室対策に追われるリスクが高くなります。
短期間での売却についても、短期間に値上がりする物件(あるいは相場より安く売られている物件)を選ぶ選別眼や情報網が必要ですし、個人の短期間での売却益(短期譲渡所得)には大変な高税率が課せられます。さらに、売買に“反復継続性“があると認定されてしまうと宅建業法に抵触するリスクもあり、その点への注意も必要です。

そして、訳あり物件を再生したり、土地を探して新築するなどは、もはや会社員・公務員の片手間で出来る範囲ではないとも言えます。

とはいえ、こうした投資手法を学び・実践して短期間でのFIREを目指す方も実際にいらっしゃいます。
「短期間でFIREしてやる!」という揺るぎない覚悟があれば、決して不可能なことではないのでしょう。

■パターン2 不動産投資の目的は「老後への備え」!

二つめのパターンは「老後への備え」です。
少し前にも老後の年金不足問題が話題になりましたが、「今すぐ」というよりも、「今のうちから」将来に備えておきたいと考える方もまた、多くいらっしゃいます。

既に株式・投資信託や個人向け国債など他の金融資産をお持ちの方も多く、著者への相談事例では、「不動産投資だけで老後に備える!」というよりも、「不動産投資を含む資産運用の組み合わせで老後に備える!」と考える方が多い印象です。

この場合、「不動産投資で儲かるか」の目線は、他の金融資産・金融商品のそれとの比較が目安となります。
たとえば、40歳の方が30年ローンを活用して都心部で不動産投資を実行するとします。

購入する収益物件や借入条件にもよりますが、一般的な株式配当と同等以上の利回りを期待することは都心部であっても十分可能ですし、定年退職する20年後には借入金額の多くを返済した状態ですから、老後も家賃を受け取り続けるもよし、売却して纏まった現金を手にするもよしで、今の市況でも十分に検討できる資産運用の一つといえるでしょう。
あとは、ご相談者のお考えとして、金融商品・金融資産になるべく近い(=賃貸管理の手間などが極力かからない)ものがよいのか、不動産投資ではより手間をかける覚悟があるのかによって、お勧めする投資手法を探っていくという流れになります。

不動産投資はまだまだ旨味のある投資手法・資産運用ではありますが、ご自身の期待する成果によってはそれなりの覚悟が必要にはなります。

本稿が、読者の方の最適な投資手法を検討するきっかけとなれれば幸いです。

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