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賃料相場の正しい調べ方!家賃設定のポイントも

賃料相場の正しい調べ方!家賃設定のポイントも

入居者が退去した後、特に家賃の設定を見直すことなく次の募集を行っている人も多いのではないでしょうか。しかし、不動産投資において賃料相場を調べることは極めて重要です。賃料相場を把握せずに入居者募集を続けていると、入居者が集まらなくなる、一方で値上げのチャンスを逃しているといった事態にも繋がりかねません。そこで、今回の記事では賃料相場の正しい調べ方と、家賃設定のポイントについて解説します。

 

■賃料相場を調べる重要性

家を調べる若いカップル

賃貸物件の入居者を募集するにあたって、「賃料相場」を調べておくことは大切です。特に、退去予告があって次の募集条件を決める際、なんとなく前回と同じ家賃(=現況家賃)に設定してしまう方は少なくないでしょう。しかし、一般に家賃の根拠となる収益物件の商品力・競争力は、経年で劣化していきます。そのため、家賃設定を誤ると入居希望者が集まらず空室状態が続いてしまい、場合によっては賃貸経営そのものが失敗に傾いてしまうかもしれません。

仮に入居者さんから家賃減額の申し出がなかったからといって、賃料相場を把握しなくてよいことにはなりません。不満を感じながらも言い出しにくかっただけかもしれませんし、交渉が面倒で放置していただけかもしれないからです。特に、退去者が新築時から住んでいた場合や長期間住んでいた場合には、現況家賃と相場の乖離が大きくなった可能性を疑うようにしましょう。

 

一方で周辺の再開発や大型施設の誘致等によって家賃相場が上昇しているケースもあります。そのような場合には賃料を少し高めに設定しても、入居希望者が集まる可能性が高いでしょう。いずれにせよ現況家賃は参考程度に捉え、少なくとも退去予告があった場合には、その都度家賃の相場を必ず確認する習慣を付けておくことをおすすめします。

また、オーナーチェンジ物件での初めて入退去時には、特に注意しましょう。オーナーチェンジ物件とは入居者のいる状態で取引された中古の収益物件のことを指します。基本的には前所有者と入居者との賃貸借契約を購入者が引き継ぐ形になります。そのため、前所有者がどういう事情で賃貸募集したのか、詳しい事情を把握することができません。中には売却時の利回りを高く見せるため、あえて「長期間のフリーレントを付ける」「高額な広告費を仲介業者に支払う」などして割高な家賃で入居者を付けるケースや、逆に必要以上に低い家賃で入居させてしまったケースもあるので、十分な注意が必要です。

 

■賃料相場の正しい調べ方

スマホでお部屋探しをする男女のイラスト素材

賃料相場の調べ方として、主に以下2つの方法が挙げられます。

  • ・賃貸ポータルサイトで調べる

  • ・近隣の不動産会社へ相談する

 

▼賃貸ポータルサイトで調べる

SUUMOやHOME’Sといった賃貸ポートフォリオで類似物件の募集条件を確認する調べ方です。インターネットの掲載家賃は「成約家賃」ではなく「募集家賃(希望家賃)」ですが、類似物件と比較すればおおよその金額は掴めるはずです。

 

▼近隣の不動産会社へ相談する

その収益物件の所在地を営業エリアとする地場の賃貸不動産会社に、電話などでヒアリングする調べ方もおすすめです。

親切な不動産会社であれば、マンション名や間取りなどを電話で伝える程度でも、色々と教えてもらえるでしょう。また、その際にできれば複数の不動産屋さんにヒアリングすることをおすすめします。(不動産屋が忙しい夕方の時間帯や来店者対応で忙しくなりやすい週末は避ける)

 

▼類似物件と比較する際の注意点

賃料相場が把握できたところで、類似物件と所有物件を比較してみましょう。なお、比較にあたっては、「物件自体の価値」「物件周辺の価値」の2つの要素を意識することが大切です。

 

■物件自体の価値

・専有面積、間取り

・築年数、所在階

・水回り(バストイレ、キッチン)やエアコン等の設備

・建物の外観、共用部分の充実度

・インターネット無料、家具家電付きなどの付帯サービス  など

 

■物件周辺の価値

・最寄り駅からの距離、道中の商業施設

・近隣のスーパー、コンビニや飲食店などの充実度

・近隣に、敬遠されがちな施設(墓地やゴミ焼却場など)の有無  など

 

これらを勘案した上で目安となる相場家賃が分かったら、一番多く情報を持っている不動産会社に入居者募集を依頼するもよし、管理会社に情報をフィードバックして再提案を求めるもよし、です。

不動産投資における入居者募集は、投資家が投資効率に関与できる数少ないタイミングのひとつであるといっても過言ではありません。ひと手間かけて、より合理性の高い募集条件を検討してみてはいかがでしょうか。

 

■家賃設定のポイント・注意点

住宅と警告サイン

賃料相場を把握するにはそれ相応の手間がかかります。そのためオーナーによっては、こうした面倒から解放されるため入居者募集を含む一連の賃貸運営業務(PM業務)を管理会社に頼むことも少なくありません。

PM業務を外部に委託するメリットとして、退去予告を受けた際に管理会社から次回募集条件の提案をもらえることがあります。しかし、提案をもらったからといって「不動産管理のプロである管理会社からの提案であれば間違いない!」と過信するのは避けましょう。

 

管理会社は必ずしも自社で集客して賃貸借契約を締結しているわけではありません。その多くは、収益物件の所在地を営業エリアとする賃貸不動産会社に依頼して実務を回しています。そのため、自社での成約実績が乏しいエリアでは、地場の賃貸不動産会社への簡単なヒアリングベースでの提案となっている、あるいは入居者の生の声や直近のトレンドが反映されていない提案となっている可能性も否定できません。

もちろん、担当者の中にはご自身の豊富な知識・経験と、地場の様々な賃貸不動産会社から得た情報をもとに、プロならではの提案をしてくれる人がいるのも事実です。しかし、全ての担当者にそれを期待することは現実的ではないでしょう。

 

また、近年では年間空室率(または入居率)を積極的に公開している管理会社が増えつつあります。管理物件の空室率が低い(または入居率が高い)ことは他社との差別化要素となりえますが、空室率を下げる最も簡単な方法は、“募集家賃を低めに設定する”ことです。大半の管理会社は意図的に募集家賃を下げるようなことをしていないものの、こうした側面から管理会社の提案条件は相場家賃と比べて妥当なのか、不動産投資家自身が判断できるようにすることが大切です。

 

■賃料相場の正しい調べ方を確認

今回の記事では、賃料相場を把握することの重要性と調べ方についてお伝えしました。不動産経営では、現況の家賃が相場の家賃とイコールでないことを念頭に置いておくことが大切です。また、賃料相場を調べる際はインターネットや不動産管理会社に電話するほか、類似物件との比較もきちんと行うようにしましょう。

 

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