保険年金

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トンチン年金とは何?メリット・デメリットを解説

トンチン年金とは何?メリット・デメリットを解説

「人生100年時代」と呼ばれる昨今。

老後の資金不足に備えようと、保険の検討を進めている方も多いかも知れません。

老後資金の確保の一つに「トンチン年金」という金融商品があります。

トンチン年金は終身年金制度のことで、名前の通り「一生涯にわたって年金を受け取れる」ことが最大の特徴です。

本記事では、トンチン年金の概要やメリット・デメリットについてまとめてみました。

 

■トンチン年金とは何?仕組みは?

年金のイメージ

トンチン年金とは年金を受け取れる終身年金制度のことで、民間の保険会社が提供している金融商品のひとつです。

「トンチン年金」という名前は17 世紀にイタリアの銀行家、ロレンツォ・トンティが考案した年金制度に由来してます。

個人年金はいくつかの種類に分けられ、その中でも代表的なのが「確定年金」と「有期年金」です。

 

  • ・確定年金:5年10年など一定期間年金が受け取れる

  • ・有期年金:被保険者が生存していることを条件として一定期間年金が受け取れる

 

とはいえ、確定年金や有期年金はどちらも一定期間しか年金を受け取れず、長生きした場合に公的年金だけでは資金が足りなくなると予想されます。

一方でトンチン年金は一生涯にわたって年金を受け取れるため、長生きしたときの資金不足に備えやすいといえるでしょう。

 

■トンチン年金のメリット

年金を確認する老夫婦

年金制度の一種であるトンチン年金ですが、どのようなメリットがあるのか確認していきましょう。

ここでは、トンチン年金のメリットを3つ挙げてみました。

 

  • ・長生きする人ほど多くの年金を受け取れる

  • ・告知や医師の診査がなくても加入ができる

  • ・保証期間がある

 

▼長生きする人ほど多くの年金を受け取れる

トンチン年金は、長生きするほどより多くの年金を受け取れます。

前述の通り、確定年金は被保険者の生死に関わらず年金を受け取れるメリットがありますが、長生きした際に資金不足が懸念されます。

 

例えば、65歳から年金の受け取りを開始して10年間受給したとします。

この場合、85歳以降は年金を受け取ることができません。

これでは長生きした際に別の方法で資金を確保する必要があるでしょう。

長生きする人ほど年金を受け取れるトンチン年金であれば、資金が足りなくなるリスクを減らせます。

 

▼告知や医師の診査がなくても加入ができる

トンチン年金の中には確定年金タイプの個人年金保険と異なり、健康状態の告知や医師の診査が必要ない場合があります。

そのため、持病のある方や過去の病歴を理由に断られてしまうような場合でも、加入できます。

 

▼保証期間がある

トンチン年金では、被保険者の生死に関わらず年金を受け取れる「保証期間」が設定されている場合がほとんどです。

一般的には、年金を受け取り始めてから5年が経過した頃に亡くなってしまうと、ほとんど年金を受け取れません。

 

しかし、保証期間が設置されているトンチン年金の中には「被保険者が早期に亡くなっても5年分の年金は受け取れる」などといった、保証が設けられている場合があります。

なお、保証期間中に亡くなってしまった場合は、遺族が残りの未払い年金を受け取れるので安心してください。

 

■トンチン年金のデメリット

頭を抱えるおばあさん

トンチン年金にはメリットがある一方で、デメリットも存在します。

ここではトンチン年金における主なデメリットを3つ、見ていきましょう。

 

  • ・解約時や死亡時の返戻金が低い

  • ・受け取れる年金の総額がわからない

  • ・元を取るのに時間がかかる

 

▼解約時や死亡時の返戻金が低い

トンチン年金は解約時や死亡時の返戻金が低く設定されており、払った保険料よりも少ない金額となるケースがほとんどです。

例えば、健康状態の変化を理由に途中解約するようなことがあったとしても、解約返戻金が低くなるという点を理解して加入しなければなりません。

中には死亡保障がない商品もあるため、保険料を払い込んでいる期間に亡くなってしまうと、全額取り戻すことが難しくなります。

 

▼受け取れる年金の総額がわからない

トンチン年金は長生きするほど多くの年金を受け取れる一方で、将来受け取る年金の総額を把握できません。

確定年金タイプであれば契約時に将来受け取れる年金額がわかるため、前もって将来的に年金をいくら受け取れるのか確認した上で加入できます。

 

しかし、トンチン年金では被保険者が亡くなった時点で年金の支払いが終了します。

そのため保険料が妥当かの判断が付きにくく、将来設計がしにくいといった側面があるのも事実です。

 

▼元を取るのに時間がかかる

トンチン年金はある程度長生きできなければ、支払った保険料の総額よりも受取総額が下回ってしまう可能性が否定できません。

厚生労働省の「簡易生命表(令和2年)」によると、日本人の平均寿命は男性が81.64歳で女性が87.74歳です。

 

トンチン年金として展開されている金融商品の中には、70歳から年金を受け取り90歳を超えるまでは、受取総額が支払総額を超えないものも存在します。

そのため、支払った保険料の元を確実に取りたいという気持ちが強い方にとって、トンチン年金は不向きといえるかもしれません。

 

■トンチン年金以外の個人年金保険について

トンチン年金以外の個人年金保険を選ぶべきなのか、その選択肢に迷う方も多いでしょう。

長生きした際の資金不足のリスクに備えて老後対策をしたい方は、トンチン年金への加入を検討してもいいでしょう。

 

しかし、デメリットの章でお伝えしましたが、返戻金の低さや将来年金を受け取る金額が把握できないといったリスクがあることも理解しておかなければなりません。

なお、冒頭でお伝えしたようにトンチン年金(終身年金)以外の主な個人年金保険として「確定年金」と「有期年金」があります。

年金の種類

 
年金を受け取れる期間 被保険者死亡後の扱い
トンチン年金(終身年金)

被保険者の存命中は無期限で年金を受け取れる。

相続不可
※国内で販売されているトンチン年金には保証期間がついているものが多く、相続できる場合もある
確定年金

被保険者の生死に関わらず、決められた期間だけ年金を受け取れる。

 

被保険者が亡くなった後は遺族が残りを一時金、または年金として受け取れる

 

有期年金

 

決められた期間だけ年金を受け取れる

 

相続不可

このように、年金を受け取れる期間や被保険者死亡後の扱いで大きな違いがあります。

目的によって個人年金の選び方は大きく変わるため、どのようなプランが自分にあっているのかを慎重に検討してみてください。

 

■トンチン年金に興味のある方へ

年金プラン

今回の記事では、トンチン年金のメリット・デメリットを中心にお伝えしました。

トンチン年金は一生涯にわたって年金を受け取れるため、いわゆる「長生きリスク」に備えられる年金制度といえます。

 

また長く生きれば生きるほど保険金の受取総額が大きくなるため、健康に自信がある人にとっては頼もしい保険でしょう。

とはいえ、かなり長生きをしなければ元を取れない商品も多く、解約時や死亡時の払い戻しが少ないといったデメリットがあることも事実です。

トンチン年金への加入を検討する際は他の制度とも比較検討した上で、自身のニーズに適した標品なのかどうか見極めるようにしましょう。

 

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