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中級者こそ要注意!金融機関と揉める意外な落とし穴とは!?

中級者こそ要注意!金融機関と揉める意外な落とし穴とは!?

中級者こそ要注意!金融機関と揉める意外な落とし穴とは!?

不動産投資を始めたばかりの頃は、金融機関に融資を申し込んでも「なかなか通らない」という悩みを抱える人が多いものです。審査に必要な資料をそろえても、実績不足や信用力の弱さを理由に断られるのは珍しくありません。

しかし、ある程度の実績を重ねて中級者と呼べる段階になると、状況は一変します。キャッシュフローが安定し、財務三表の数字が整い、返済実績も積み上がれば、それまで消極的だった金融機関が急に積極的に融資を提案してくるようになるのです。

本稿では、この「中級者ならではの分岐点」で生じやすい金融機関とのトラブルに焦点を当て、複数行から承認が重なったときのリスクと注意点、そしてその対策について、分かりやすくご説明していきます。

 

■「承認が重なる」ことのリスクとは?

 

不動産投資の初期段階では、複数の金融機関を回っても断られるのが当たり前。だからこそ、同時に複数行へ打診するのが一般的な戦術です。

ところが、一定の規模に達すると事情は変わります。金融機関はどこも同じ決算書や収支データを材料に判断するため、条件が整ったタイミングでは複数行から一斉に「承認」が下りることがあるのです。

投資家にとっては「待ちに待った承認が複数行から!」という、まさに嬉しい悲鳴。これまで門前払いばかりだったことを思えば喜ばしい話ですが、その一方で厄介な現実も待っています。

最終的に実行できる融資は1行だけ。残りの銀行には断りを入れなければなりません。ここで「断り方」を誤ると、せっかく積み上げた関係が一気に冷え込み、次回以降の融資に響いてしまうリスクがあるのです。

金融機関は承認を出すまでに支店長・本部審査部を巻き込んだ稟議プロセスを経ています。担当者にとっても自分の評価がかかる一大案件。それだけに、「当て馬にされたのでは」と感じれば、不信感が残り、将来の打診で門前払いを食らうことすらあります。

 

特に信用金庫・信用組合など地域密着型の金融機関ほど、“数字”以上に“信頼”や“義理”を重んじる傾向が強く、この点を軽んじると大きな痛手を負いかねません。

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■融資打診時にできる2つの対策

 

では、こうしたリスクを避けるにはどうすればよいのでしょうか。ポイントは「承認が重なったときに備え、事前に布石を打っておくこと」です。

 

第一に、複数行へ同時に打診していることを正直に伝えることです。銀行側も投資家が比較していることは理解していますが、後から発覚すると「当て馬だったのか」と不信感を抱かれやすくなります。あらかじめ伝えておけば、結果的に他行を選んだとしても「最初からそういう前提だった」と整理してもらいやすくなるのです。

 

第二に、融資で何を優先するかを伝えておくことです。スピードなのか、金利なのか、期間なのか。あらかじめ希望を明示すれば、銀行側も「今回は条件が合わなかった」と理解しやすくなります。ここを曖昧にしたまま複数行を走らせると、いざ承認が重なったときに「どこを選ぶか」の基準が自分自身でも定まらず、結果的に断りの説明が弱くなってしまうのです。

 

さらに言えば、こうした希望を示しておくことは、銀行側にとっても改善の余地を知るきっかけになります。「この投資家は金利よりもスピードを重視している」と分かれば、次回以降の提案内容も変わってくるでしょう。

 

こうした布石を打つことで、複数承認が出たときでも「最初から説明していた」という大義名分が残り、後々の関係悪化を防ぐ効果があるのです。

 

■断り方のコツ――「正直さ」と「今後に繋げる言葉」

 

もし、複数行から承認が出てしまったものの、融資打診時にそうした布石を打ち忘れてしまった場合、あるいは完全に条件が同一のなかから一行だけを選ばなければならない場合には、特に慎重な対応が必要です。

まずは、当たり前ですが、選ばなかった銀行にも必ず感謝を伝えること。「承認までご尽力いただき、本当にありがとうございました」という一言で、担当者の努力を正当に評価できます。

次に、選ばなかった理由はなるべく客観的に説明します。「金利が0.2%低かった」「担保評価がこの物件に適していた」など、あくまで合理的な条件差で判断したことを明示するのです。

さらに、「今回はご縁がなかったが、次回以降もぜひお願いしたい」と将来の取引可能性を示しておくことが欠かせません。ここで担当者との関係を繋いでおくことが、長期的な戦略では重要となってきます。

加えて、その金融機関との関係性を特に重要視している場合や、事前の何らの布石を打てていなかった場合などには、少額でも積立預金や定期預金を活用して関係を繋ぐという選択肢を検討してもよいでしょう。

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いかがでしょうか。

不動産投資における「中級者の分岐点」とは、単に規模拡大の通過点ではなく、金融機関との関係性を試される局面でもあります。

「どのようにして融資を通すか」から、「複数の金融機関とどのように付き合っていくか」にステージが進むと言い換えてもよいでしょう。

冷静に、誠実に、そして将来を見据えて金融機関と向き合うこと。これが、不動産投資を長期的に成功させるための最も確実な道なのです。

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