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“親切な営業マン”に要注意!不動産投資で失敗しないために!

“親切な営業マン”に要注意!不動産投資で失敗しないために!

“親切な営業マン”に要注意!不動産投資で失敗しないために!

「この物件は人気ですから、すぐ決めないと逃しますよ」

 

不動産売買の現場でよく耳にする営業マンの言葉です。もちろん親切心からの発言もあるでしょう。

 

しかし冷静に考えてみれば、営業マンは物件が売れてこそ手数料を得られる立場。服屋で「似合いますか?」と聞けば、たいてい「お似合いですよ」と返ってくるのと同じです。違うのは、不動産の場合は数千万円規模の取引であり、小さな思い込みや誤解が大きな損失に直結する点です。

 

加えて、不動産取引の仕組みや関連法令は専門的で、一般の人にとって理解しづらいものです。そのため「営業マンの言うことだから大丈夫だろう」と思い込んでしまいがちですが、そこに落とし穴があります。

 

本稿では、不動産投資における営業マン依存のリスクと、その注意点について整理してみたいと思います。

 

 

 

■営業マンの「専門外」に頼る危うさとは!?

 

経験の浅い投資家が営業マンに尋ねがちな質問は、おおよそ決まっています。

 

「物件価格は適正か?」「このエリアは入居付けに強いか?」「賃料水準は妥当か?」「融資を紹介してほしい」「信頼できる管理会社を知っているか」など。一見もっともらしい質問ですが、思い出してほしいのは営業マンが売買の利害関係者であるという事実です。

 

仕事柄、物件を売るインセンティブしか持たない以上、マイナス情報を積極的に伝える理由はありません。ましてリピーターでもない初対面の顧客に「この物件は割高です」「管理組合の収支に懸念があります」などと正直に言うケースはごく稀でしょう。

 

さらに、営業マンは売買専門であり、リーシングや管理の実務には疎いことも少なくありません。悪意がなくとも「このエリアは人気ですよ」「空室リスクは低いですよ」といった根拠の薄い説明に頼ってしまえば、将来の収益計画が崩れる危険性があります。

 

実際に「営業マンが提示した賃料相場より実際は2割も低かった」「入居付けが想定より厳しく、空室が半年以上続いた」といった事例は珍しくありません。小売店のセールストークなら笑い話で済みますが、不動産投資では致命傷になりかねません。

 

 

 

■融資先や管理会社紹介のリスクにも要注意!

 

また、営業マンからの融資先や管理会社の紹介にも落とし穴があります。

 

誤解のないように言えば、融資先や管理会社の紹介自体は有効です。金融機関にとって、優良顧客を紹介してくれる不動産業者からの案件は歓迎されるため、条件が良くなる場合もありますし、本当に評判のよい管理会社を教えてもらえることもあるでしょう。

 

しかし、実際の融資先紹介では、融資を「通しやすい先」が紹介されやすい傾向があります。かつて問題となった不正融資事件は論外としても、現在でも審査基準が緩い代わりに高金利・超長期のローンを積極的に出す金融機関は存在します。

 

営業マンからすれば、融資を理由に売買が中断されることは避けたいため、審査基準の緩い金融機関を紹介するメリットは大きいのです。

 

実際、借入期間が超長期であれば、たとえ高金利であっても当面はキャッシュフローが出るケースも多いもの。しかし、ふとしたきっかけでキャッシュフローがマイナスに転落した場合、高い金利負担と減らない借入元本が枷となり、売却も借り換えもままならず、出口が塞がってしまうケースが後を絶たないのです。

 

また、管理会社の紹介にもやはりリスクが存在します。裏で紹介料やキックバックの存在する会社を勧められたり、経営母体が同じ系列会社を勧められたりするケースが多く、いざ契約してみれば修繕費が割高、入居者対応も杜撰、解約には高額の違約金といったトラブルは決して珍しくないのです。

 

繰り返しになりますが、「営業マンが勧めたから安心」という思い込みは危険です。営業マンの利害と投資家の利益は、必ずしも一致しないという前提に立つ必要があります。

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■投資家が持つべきスタンスとは!?

 

では、不動産投資家はどのように自衛すべきでしょうか?

 

答えはシンプルですが厳しいもので、投資家自身が最低限の知識を持ち、主体的に判断することです。

 

・不動産関連の法律や商慣習、税制の基礎知識を学ぶ

・そのエリアの賃料相場や入居率を自分で調べる

・金融機関のローン条件を比較検討する

・管理会社も複数社に見積もりを取り、サービス内容を比較する

 

こうした手間を惜しまないことが、リスク回避の第一歩となります。

 

もちろん、最初から投資家が一人ですべての情報を網羅するのは難しいかもしれません。営業マンの意見を参考にすること自体は否定しませんが、必ず「裏を取る」「比較する」ことは忘れないようにしましょう。シーンによっては、不動産投資に強いFPや先輩投資家などにアドバイスを求めるのも有効です。

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いかがでしょうか。

 

不動産投資は「投資」という言葉で語られがちですが、実態は不動産賃貸事業です。事業である以上、他人任せでは成功は望めません。

 

特に売買の営業マンに全面的に頼るのは、知識不足や利害の衝突によって大きな失敗につながりかねません。親切そうな言葉の裏にある利害を見抜くこと。複数の情報源で裏を取ること。そして投資家自身が学び続ける姿勢を持つことが重要です。

 

「そんな旨い話はない」――この当たり前を胸に刻み、冷静な判断力を養うことこそが、不動産投資で失敗しないための最大の武器となるでしょう。

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