保険年金

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火災保険がまた値上がり?!最長契約年数も10年から5年に変わります

火災保険がまた値上がり?!最長契約年数も10年から5年に変わります

火災保険がまた値上がり?!最長契約年数も10年から5年に変わります

2021年6月、損害保険料算出機構が住宅総合保険(火災保険)の参考純率を全国平均で10.9%引き上げることを発表しました。これは豪雨や台風などの自然災害リスクの増加や、築年数の古い住宅の割合が年々増加していることなどが引き上げの背景にあり、今年一月に値上げされた火災保険料が来年度中にもさらに引き上げとなる可能性があります。
自然災害については、気候変動などの影響から将来にわたり大きく変化していくと見込まれており、長期的なリスク評価が難しくなっていることから、さらに火災保険の最長契約年数についても10年から5年に縮小される予定です。契約年数が短くなるということは、長期契約割引率の減少などによりこちらも実質保険料の値上げを意味しています。
今回はこういった改正に合わせて、火災保険と地震保険の内容を見ていきましょう。

【INDEX】

■火災保険について

■地震保険について

■最後に

火災保険について

火災保険は火災によって生じた損害だけでなく、落雷や台風、水道管からの水漏れなどの損害も補償されます。
一般的な火災保険の補償範囲を見ていきましょう。(保険会社によっては名称や補償範囲が異なる場合もあり)

◇火災保険の補償範囲

● 火災

● 落雷

● 破裂・爆発

● 風災・雹災・雪災

● 水災

● 外部からの物体の落下・飛来・衝突など

● 水濡れ

● 騒擾・集団行動等に伴う暴力行為

● 盗難による盗取・損傷・汚損

● 不測かつ突発的な事故(破損・汚損など)

近年、異常気象の影響により集中豪雨や大型台風など水災の事故が増加傾向にあります。水災補償については住んでいる地域や戸建て・マンションかなどによっても必要性が異なりますが、地域のハザードマップ等を参照しながら補償内容を検討するようにしましょう。

◇保険金の支払い
火災保険の保険金支払いについては、以下の二種類があります。

● 実損てん補…契約時に定めた保険金額を限度に、実際の損害額が支払われること(損害額と同等の保険金を受け取ることができるが、補償が手厚い分保険料も高くなる)

● 比例てん補…保険金額が保険価額を下回っている場合に、その割合に応じて保険金が削減されて支払われること(保険料は安くなるが、万が一の損害に十分な補償が受けられない可能性がある)

現在の火災保険の多くは実損てん補が主流となっていますが、古い契約の場合などは比例てん補になっていることがあります。火災保険の場合は、いざ損害が起きた時に十分な補償を受けられないと生活に大きな影響が出ますのでご自身の契約内容を今一度確認しておきましょう。

◇保険料が決まる仕組み

損害保険料率算出機構が「参考純率」を算出します。
その後データを基に、各損害保険会社が事業費等を加味して火災保険料を独自に算出します。

各保険会社によって保険料が違うのは、保険料の中身が異なるからです。火災保険料は「純保険料」と「付加保険料」の二つから成り立っていますが、純保険料の基となる参考純率をそのまま使用するのか、修正して使用するのかは各保険会社の判断により異なります。また付加保険料についても、保険会社が事業費や代理店に支払う手数料などを基に独自に算定します。
同じ補償内容でも保険会社によって保険料が違ってきますので、加入する際は各社保険料を比較することをおすすめします。

地震保険について

ご存じない方もいらっしゃるかと思いますが、火災保険では地震によって生じた火災については補償の対象外となっています。
火災以外にも、地震・噴火・津波によって生じた損害については火災保険では補償されませんので、これらの損害に備えるためには地震保険への加入が必要となります。

◇地震保険のポイント
地震保険は単独で加入することができず、加入する際は必ず火災保険とセットで加入することになります。
またかけられる保険金額には上限があり、建物が5,000万円まで、家財が1,000万円までとなっています。その上火災保険と同じ保険金額がかけられる訳ではなく、主契約の30~50%の範囲でしか設定ができませんので注意が必要です。

保険期間は1~5年の間で設定でき、保険料については所在地や建物構造によって決まります。また保険金の支払いについては損害の程度に応じてどのくらいの金額が支払われるかが決まり、損害の種類は以下の4パターンに分けられます。(保険始期が2017/1/1以降の場合)

● 全損の場合…保険金額の100%

● 大半損の場合…保険金額の60%

● 小半損の場合…保険金額の30%

● 一部損の場合…保険金額の5%

地震保険については火災保険と違い保険金で建物を再建するというよりも、被災した場合の生活費や住宅ローン等の補填としての意味合いが大きいです。地震保険に入っていればどんな大地震が来ても大丈夫という訳ではありませんので、加入する目的と制度の内容を今一度確認しておきましょう。

最後に

今回は、火災保険と地震保険についてお話ししました。
これらの保険に関しては一度加入してしまうとなかなか内容を確認する機会がなく、気付いたら満期や更新の時期が来ていたということも少なくありません。
また実際の損害額や災害リスク等から今回のような改正や値上げが今後も行われる可能性がありますので、定期的に契約内容の確認や見直しをすることをおすすめします。

保険は加入したら終わりではなく、万が一の時に必要な補償を受けられるかが重要です。
見直しの際は、建物や家財の保険金額は加入した当時と変わらず適正か、補償の範囲や支払い要件、必要のない特約が付いていたりしないか、現状に合わせて契約内容を確認するようにしましょう。その際本記事もご参考頂ければ幸いです。

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