資産運用

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「富裕層」ってどんな人!? サラリーマンでもなれるのか?

「富裕層」ってどんな人!? サラリーマンでもなれるのか?

「富裕層」ってどんな人!? サラリーマンでもなれるのか?

経済誌や行政・調査機関の報告書などを読むと、よく「富裕層」という言葉が使われています。
たとえば、「全体の●%の富裕層が我が国の金融資産の▲▲%以上を保有している・・・」などといった具合ですね。
漢字の組み合わせや前後の文脈などから、なんとなく「特別なお金持ち」を指す言葉なのだろうとは想像できるものの、では、どのくらい「特別」なお金持ちを富裕層と呼ぶのでしょうか?

・個人単位? それとも世帯単位???

・預貯金や金融資産の保有額? 土地などの不動産も必要???

・年収はいくら以上から???

・一般のサラリーマンでも「富裕層」と呼ばれることはあるの???

改めて考えてみると、どんな人が「富裕層」に含まれるのか、なかなか興味深いと感じる方も多いのではないでしょうか?
本稿では、そんな「富裕層」について一緒に考えていきたいと思います。

■「富裕層」の定義は、「純金融資産保有額」が基準!

「富裕層」とはどういった人たちを指すのでしょうか?
いきなり出鼻を挫くようで申し訳ありませんが、私が調べたかぎり「富裕層」という用語に統一的な定義はなく、行政や各調査機関などが独自の定義で集計・分析を行っているのが実態のようです。
そこで、長年「富裕層」の調査・分析を行っている株式会社野村総合研究所(以下、「NRI」)のレポートで使用されている「富裕層」の定義を、まずは確認してみましょう。
NRIでは、世帯ごとの「純金融資産保有額」を基準にして、総世帯を「富裕層」を含む5つの階層に分類・集計する方法で調査結果を発表しています。
NRIの分類した5つの階層は以下のとおりで、「富裕層」または「超富裕層」に入るためには、世帯ごとの純金融資産ベースで1億円以上を保有する必要があります。

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<5つの階層>
●超富裕層  (純金融資産)5億円以上
●富裕層   (純金融資産)1億円以上5億円未満
●準富裕層  (純金融資産)5千万円以上1億円未満
●アッパーマス層  (純金融資産)3千万円以上5千万円未満
●マス層  (純金融資産)3千万円未満

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純金融資産保有額とは、『預預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いた金額』とされており、不動産や骨董品などの現物資産は含みません。(たとえ地主やメガ大家、豪邸・別荘・古美術品をコレクションするようなお金持ちであっても、現金や株式などの金融資産を1億円以上保有していなければ「富裕層」にカウントされません)
NRIが2020年12月21日に公開したレポートによると、この定義による2019年現在の「富裕層」「超富裕層」は約133万世帯とのことです。
日本の全世帯数が約5,000万世帯ですから、上位2%~3%程度の世帯が「富裕層」と呼ばれるイメージですね。

純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数
 
【出典】野村総合研究所 『日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計』より

なお、NRIによると、2005年の「富裕層」「超富裕層」は約87万世帯。途中に増減はありつつも中期的には「富裕層」「超富裕層」は増加傾向にあるようです。

■年収いくら以上あれば「富裕層」といえるのか!?

次に、「富裕層」を年収ベースからも考えてみましょう。
年収ベースでの「富裕層」には、たとえば開業医や大企業の管理職クラスであれば含まれるのか、興味のある方も多いのではないかと思います。
しかし、残念ながら、「富裕層」の定義に年収を基準とする方法は、あまり一般的でないようです。(年収の高い方は「高額所得者」など、「富裕層」とは別の言葉で定義されることが多い模様)
とはいえ、せっかくですから少し強引にでも目安は知りたいところ。先ほど、NRIが定義した純金融資産保有額ベースでの「富裕層」は上位2%~3%程度の世帯でしたから、同じように上位2%~3%程度にあたる年収ラインを、年収ベースでの「富裕層」と解釈して調べてみることにしましょう。
また、「年収」といっても幅が広いため、本稿では国税庁が令和2年9月に公表した『民間給与実態統計調査』による給与収入を使用して調べてみることにします。

給与階級別給与所得者数・構成比
 
【出典】国税庁 民間給与実態統計調査結果より抜粋

この調査結果における「給与」とは、1年間の支給総額(給料・手当及び賞与の合計額をいい、給与所得控除前の収入金額)とのことです。
令和元年分を見ると、年収1,000万円超の人は全体の4.8%、年収1,500万円超では全体の1.3%となっています。
ここから、上位2%~3%程度にあたる年収ラインは個人単位で1,500万円弱、つまり個人年収1,500万円前後からが「富裕層」と言えるかもしれません。
参考まで、転職サイトによる年収1,500万円の職業例とは、「医師」「弁護士」「公認会計士」「航空操縦士(パイロット)」「テレビ局・外資系金融・総合商社の管理職以上」とのことです。

いかがでしたでしょうか?

不動産など現物資産を中心に運用されている方には納得しかねる部分もあったかもしれませんが、それでも「富裕層」のイメージは掴んでいただけたのではないでしょうか?
一般の方が「富裕層」と呼ばれるのは非常に難しいことではありますが、「上位2%~3%!」「純金融資産保有額1億円!」「個人年収1,500万円!」といった目安となる数字が見えてくると、それを目指すモチベーションが湧いてくるかもしれません。
目指せ、「富裕層」の仲間入り!?

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