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不動産投資 融資に関する基礎知識① ~金融機関の規模による特徴~

不動産投資 融資に関する基礎知識① ~金融機関の規模による特徴~

不動産投資 融資に関する基礎知識① ~金融機関の規模による特徴~

不動産投資を始めるにあたっては、多くの方は金融機関からの融資を受けることになります。
エリアにもよりますが、収益物件の購入には、区分ワンルームでも数百万円~数千万円、一棟マンション・アパートともなれば数千万円~数億円規模の資金が必要となりますので、一般の方が現金購入するには高いハードルがあります。
せっかく良い収益物件を見つけても融資を受けられなければ購入できませんし、融資条件によってその利益は大きく変わります。
融資アレンジの巧拙は、不動産投資の成否に大きく影響すると言っても、過言ではないでしょう。

しかし、少し前に一般報道でも話題になった例の不正融資事案などを受け、各金融機関の収益物件への融資は厳しくなったというのが多くの不動産投資家の共通認識です。
最近では、特に初心者の方から、「実績がないから融資が受けられない」「融資が受けられないから実績が作れない」といった悲鳴も聞こえてきます。(実績を持つ投資家の方でも、融資に苦労する方は増えていると実感しています)
本稿では、金融機関からの融資に関して、特に不動産投資初心者の方が事前に知っておくべき基礎知識をご説明します。
実際の融資では、金融機関ごと、あるいは同じ金融機関であっても時期によって審査基準や融資条件にバラつきはありますが、そうはいっても大枠としての仕組みは存在するのです。

まずは基礎知識をしっかり押さえ、来るべき金融機関への融資打診に備えておきましょう。

■金融機関の規模による特徴

一口で金融機関といっても、日本には様々な金融機関があることをご存じでしょうか?
財務省によれば、証券会社などを含む広義での金融機関数は955にも及ぶそうです。

【出典】
(財務省 個人向け国債 全ての取扱金融機関一覧)


このうち、不動産投資の融資で候補に挙がる金融機関とノンバンクについて、その規模に応じた大まかな特徴を比較すると以下のようになります。
まずはこの特徴を押さえておきましょう。

<金融機関の特徴>


・都市銀行

収益物件の融資を引くことは大変難しいものの、審査に通りさえすれば、金利は低く、融資期間も長めとなる傾向があります。


・地方銀行

銀行間でも条件の差が大きいものの、一般に規模が大きな地方銀行ほど都市銀行に寄った傾向にあり、逆に規模の小さな地方銀行は信用金庫・信用組合に寄った傾向があるとされています。
地方銀行に融資を打診するには、原則として収益物件の所在地またはその方の居住地、あるいはそのいずれもが当該地方銀行の営業エリア内にある必要があります。
たとえば、東京の不動産投資家の方が、東京の収益物件を購入するのであれば、原則として北海道の地方銀行から融資を受けることはできません。


・信用金庫・信用組合

一般に地方銀行よりも審査基準は易しいとされますが、金利などの融資条件はその分厳しい傾向にあります。
また、地方銀行同様に、営業エリアを外した融資は原則として受けることができず、さらに一般に地方銀行よりも営業エリアが狭いことが多い点には十分注意が必要です。


・ノンバンク

ノンバンクとは預金業務を行わず貸金業務を行う企業のことで、不動産投資では信販系・リース系の企業が活用されることが多いようです。
一般に審査基準は易しいものの、その分金利は高めとなっており、他の金融機関からの融資が受けられない場合や、高い金利を支払ってもなお利益が残るような場合に活用されることが多いようです。


■日本政策金融公庫による融資

これまでご説明した民間の金融機関以外で、近年では日本政策金融公庫で融資を受けて不動産投資を始める方も増えています。
日本政策金融公庫は、財務省管轄の政府系金融機関で、営利目的の民間金融機関を補う役割を担うとされており、国民生活事業あるいは中小企業事業の一般貸付として、不動産賃貸業向けの融資を行っています。
公庫の担う役割を受けて、女性・若者・シニア起業家支援や再チャレンジ支援(廃業歴のある方への支援)など、民間では難しいであろう支援融資がある点も特徴です。
不動産投資における融資では、審査基準も、民間のそれとは大きく異なるようで、原則として事業計画書の提出と面談によって、不動産賃貸業としての計画性・将来性について詳しい説明が求められます。
結果として、他の金融機関では基準外となるような収益物件に対しても融資が出ることが少なくありません。(その逆も然りです)
融資条件としては、金利は都市銀行または大手地方銀行並みに低いものの、融資期間が短いことが特徴で、収益物件の購入条件によっては注意が必要です。


いかがでしたでしょうか。

不動産投資での融資といっても、どの金融機関に打診するかによって、審査基準の厳しさや融資条件に大きな違いがあることは、ご理解いただけたでしょうか?
もちろん、融資は個別審査ではありますが、こうした金融機関の規模や役割によった大まかな仕組みを知って、融資打診のアタリをつけておくことは重要かと思います。

次の記事では、不動産投資の融資の審査基準について、さらに掘り下げて説明していく予定です。
 

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