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日本の民泊事業の方向性は、アメリカの民泊事業に学べ

日本の民泊事業の方向性は、アメリカの民泊事業に学べ

日本の民泊事業の方向性は、アメリカの民泊事業に学べ

相次ぐ民泊トラブルを一掃すべく、2018年より民泊新法が施行されました。厳しい法規制により違法な事業者は減少しましたが、現在ではコロナの影響をモロに受けて、日本の民泊事業は非常に厳しい状況に置かれています。

そこで気になるのが、海外における民泊事業の動向です。

じつは海外でも同じようにトラブルが相次ぎ、各国で法規制が相次ぎました。もちろんその後にコロナの影響で大打撃を受けているあたりも、日本とまったく状況は同じです。

なかでもコロナへの対応はとくに気になるところですが、アメリカの大手民泊仲介サイト「Airbnb」(エアビーアンドビー)では、現在アフターコロナに向けて「ホスト拡大」など、着々と準備を進めています。

国境を越えることの多いヨーロッパ旅行と違い、アメリカや日本は国内だけでも十分な宿泊需要があります。

したがって日本もアメリカを見習い、いずれくるであろう国内旅行の需要増加に向けて、まずはしっかりと準備をしていくのがベストな戦略ではないでしょうか。

今回は、海外の民泊事情をチェックしながら、日本はこれからどのように動いていけばよいのかを検証していきます。

民泊ブームの火付け役「Airbnb」は現在どういう動きをしているのか


 
参考:バケーションレンタル、宿泊先、ホテル、体験など-Airbnb

2008年にアメリカで誕生した「Airbnb」(エアビーアンドビー)は、宿泊者数累計5億人以上、191カ国600万件以上の宿泊施設を網羅する世界最大の民泊仲介サイトです。

民泊仲介サイトはほかにも、「Home Away」(ホームアウェイ)など有名サイトがいくつかありますが、圧倒的な実績を引っさげ、2020年12月には米ナスダック市場で新規上場を果たしました。

【Airbnb年度別売上一覧】
・2017年26億ドル(約2,750億円)
・2018年36億ドル(約3,960億円)
・2019年48億ドル(約5,280億円)
・2020年34億ドル(約3,740億円)

売上をみると、上記のように2017~2019年までは順調に推移しています。しかし上場後初となる2020年度の売上は、残念ながら30%も減少。ただし2020年第3四半期の売上が急速に回復したのを受け、現在期待感が大きく高まっている状況です。

Airbnb最高経営責任者Brian Chesky氏は、BBCニュースのインタビュー※で、「パンデミックの影響で新たな旅行スタイルが生まれ、民泊需要がまた高まっていくだろう」と述べています。

たしかにリモートワークが普及し、仕事をしながらでも長期間家を空けられるようになりました。またワクチンの効能が検証され、家族や友人に会うため頻繁に小旅行をするようになれば、コストの安い民泊はより重宝されるでしょう。

Brian Chesky氏は「不確定要素が多いので、明確に将来は予測できない」というものの、私たち日本の民泊事業者もこういった新しい旅行スタイルの普及に対応すべく、今から準備をしておく必要があるのではないでしょうか。

※参考:Airbnb predicts 'significant' travel rebound


民泊事業、日本と海外の違いとは

まず、普段使っていないセカンドハウスやコンドミニアムを貸し出す「バケーションレンタル」が一般的な海外と、そういった習慣のなかった日本では、一般人の賃貸事業に対する意識がそもそも大きく異なります。

しかし通常の住宅やマンションを貸し出す民泊の場合、レンタルに慣れている海外市場でも「騒音・破壊」などのトラブルが多発し問題になりました。そういった状況を受け訴訟の多い海外では、現在、法規制※1で厳しく民泊の要件を定めています。

海外よりも民泊に慣れていない日本も当然同様のトラブルが多発することとなり、民泊新法で民泊事業者を管理するようになったのは、これまでの記事でお話ししたとおりです。

またアメリカやイギリスに代表される大都市圏では、賃貸よりも利益をあげやすい民泊にシフトするオーナーが増え、長期賃貸価格相場の上昇が問題になっています。

米経済雑誌フォーブスの記事※2をみると、アムステルダム・バルセロナ・ロサンゼルスなどの大都市で、Airbnbの普及により住宅価格や近隣コミュニティが破壊されつつあると書かれています。ちなみにAirbnbの掲載件数が1%増加すると、家賃が0.018%、住宅価格は0.026%上昇するそうです。

日本の民泊は、そもそも「オリンピックで激増する外国人観光客の受け入れ先を確保する」という思惑からスタートしています。

そのため空き室を業務的に貸し出す「家主不在型」の割合が55% → 74%と大きく増加(2019年6月時)※3しており、海外諸国のような家賃相場やコミュニティの破壊にもこれからは注意を払う必要があるかもしれません。

※1:資料5 諸外国における規制等の事例について
※2:Forbes – The Airbnb Effect On Housing And Rent
※3:大臣会見:石井大臣会見要旨


まとめ

海外と日本の民泊事情を比較してみると、基本的に置かれている状況はまったく同じであるのがわかります。どの国でも騒音などのトラブルが多く、法律で管理することにより対応してきました。

また海外で目立つ「家賃高騰やコミュニティ崩壊」に関しては、まだあまり大きな問題になっている様子はみられません。しかしこういった問題が拡大すると、民泊事業が批判され縮小される恐れもありますから、十分に配慮をしながら運営していく必要はあるでしょう。

いずれにせよコロナの影響で、急激な民泊事業の回復は当面望めない状況です。であれば、民泊事業のトップ企業であるAirbnbのように、「いかにアフターコロナの民泊需要を掘り起こしていくか」を考え、しっかりと準備を重ねていくしかありません。

将来に向けて今どれだけ準備ができるか、それによって日本の民泊事業の未来は大きく変わっていくでしょう。
 

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