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子どものお金教育 日常生活で伝えたいお金のこと

子どものお金教育 日常生活で伝えたいお金のこと

日本では「お金の話をするのははしたないこと」という風潮があるためか、親が子どもにお金についての話をすることが少ないように感じます。

しかし、親が共働きをする家庭が増え、小さい頃から交通費やお昼代など自分でお金を使う場面が増えていること、それに加えキャッシュレス化によって、手元にないお金を使うようになってきていることからも、お金の価値、使い方についてきちんと教えることが必要なのではないでしょうか。

金融庁は2002年11月に文部科学省に対して、学校教育での金融教育の推進を求める要請文を出しましたが、親向けのお小遣い講座程度にとどまっているのが現状のようです。いますぐにはじめるお金の教育、まずは日常生活でできることから考えてみましょう。

お金の感覚を掴む

まず、お金はどんなものなのか、子どもと一緒に実際に見てみます。硬貨にはどんな種類があるのか、紙幣は何種類あるのか、だけではなくそこに描かれた人物、風景について話すことで、関心を育ててみましょう。どこで作られているのか知るために、造幣局などに見学に行ってみるのもオススメです。

つぎに、生活の中でお金がどのようにかかっているのかを、折に触れて話してみるようにしましょう。

生活している中で、何にどれだけのお金がかかっているのかということを意識できている子どもは少ないと思います。普段何気なく使っている電気・ガス・水道、そして、学校や習い事にもお金がかかり、そのお金は働いた対価として得ることができるんだよ、ということを普段の会話の中でするようにしてみましょう。「我が家の食費は1ヶ月いくらかかっているでしょう?」などクイズ形式で考えさせたり、給食費、習い事の月謝など、子どもが自分に関わるお金がどのくらいかかっているのかを知ったりすることで、「基本的な生活を送るため、そしてやりたいことを実現するためにはお金が必要なんだな」ということを理解していくことでしょう。

お金の使い方を学ぶ

①まずは遊びの中で体験を

こどものおもちゃでもお金を使う経験、まずは遊びの中で買い物の練習をしてみましょう。スーパーのチラシを切り抜くとそれぞれ値段が書いてあるので、手軽に買い物ごっこができます。例えば今日の夕飯のための買い物リストを書いて、いくらぐらいかかるのか計算してみるのも楽しみと同時に、日々の生活にかかるお金を知るいい機会になります。

学年が上のお子さんをお持ちの方は、少し発展させて、不動産の物件チラシから間取りと値段の部分を切り抜いても面白いでしょう。「こんな大きな金額のものをどうやって買おうか? どうやって買っているんだと思う?」などと質問して、住宅ローンの話などに発展させてもいいかもしれません。

②実際にお金を使ってみる

次にお金を実際に使う体験をさせてみましょう。

我が家では駄菓子の売っているお店で100円を小学生の子どもに渡し、自分で買い物をさせています。税込みの値札を見て、頭の中で計算するように教えれば、足し算ができる子であれば幼稚園生でも買い物できるでしょう。限られた金額の中で自分の好きなお菓子をたくさん買うにはどうしたらいいか考えるので、真剣度が違います。

「なぜ金額に二つの表示(税抜・税込価格)があるの?」と聞かれ、そこから税金の話をしたこともあります。

なお、お金を使う際に「友達とお金の貸し借りをしない」「おごらない」など、基本的なルールも合わせて教えておくようにしましょう。

これ以外にも家庭でできるお金教育について、金融広報中央委員会のサイト『しるぽると』の「家庭・子ども」のカテゴリにも参考になる記事が載っています。

お金は、自分の夢や希望を実現するために必要なものです。将来子どもが人生を歩んでいく中でやりたいことをお金がないことで諦めることがないようにするためにも、今から正しいお金の知識を授けることは、親からの大きなプレゼントの一つといえるかもしれません。

(参考)

金融広報中央委員会 知るぽると

https://www.shiruporuto.jp/public/

フリーライター

こまのあやこ

保険会社、出版社勤務を経てフリーライターに。

経済の真面目な話から生活を楽しくするためのアイディア、エンタメまでジャンル問わず執筆中。

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