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『児童手当の拡充(案)』の修正案が判明!これで本当に大丈夫か!?

『児童手当の拡充(案)』の修正案が判明!これで本当に大丈夫か!?

『児童手当の拡充(案)』の修正案が判明!これで本当に大丈夫か!?

先日、遅々として検討の進まない『児童手当の拡充』を巡り、いくつかの政府与党の修正案が報道により明らかになりました。

『児童手当の拡充』については、以前レアルメディアでも取り上げていましたが、目玉となるポイントは以下の3点でした。

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<児童手当の拡充(案)のポイント>

①所得制限の撤廃

②支給対象の引き上げ

③多子加算

 

<参考記事>

本当に大丈夫!?「児童手当の拡充(案)」を説明します!

https://www.real-media.jp/article/687

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各ポイントの詳細は後ほどご説明しますが、残念ながら政府の掲げる『次元の異なる少子化対策』という派手なお題目とは裏腹に、過去の経緯や実質的な効果を考えると微妙な拡充内容と言わざるをえないものばかり。

今回の修正案では、果たして挽回することができたのでしょうか?

本稿では、2023年12月6日現在までに報道された情報を元に、修正案を踏まえた 『児童手当の拡充(案)』の内容を分かりやすくご説明していきます。

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■『児童手当の拡充(案)』の内容をおさらい

まずは、大枠の『児童手当の拡充(案)』のおさらいをしておきましょう。

まず、「①所得制限の撤廃」について。

令和4年10月より、一定以上の高所得者に児童手当は支給されない仕組みに変更されていましたが、この所得制限を再度撤廃しようという内容です。

正確にいえば、かつての「特定給付」の再開ではなく、所得制限自体を撤廃する内容であるため、一定以上の高所得者にとっては支給額が増えることにはなります。

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<一定以上の高所得者への児童手当支給>

・令和4年9月まで

一定以上の高所得者には「特例給付」として、一律月5,000円を支給

  ※本来の児童手当は、子の年齢等により最大月15,000円

 

・令和4年10月より 

  「特例給付」を停止(児童手当が実質0円に!)

 

・『児童手当拡充(案)』の実施後

 所得制限を撤廃し、本来の児童手当と同額を支給

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しかし、そもそも児童手当の前身にあたる「こども手当」や、その財源捻出のために廃止された「年少扶養控除」にはそもそも所得制限がありませんでした。

言ってしまえば、直近で改悪し過ぎた分を「元に戻す」だけの内容であり、少なくとも『次元の異なる少子化対策』と呼ぶにはあまりに寂しいものではあります。

 

次の「②支給対象の引き上げ」は、現行制度で「中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)」としている支給対象を、「18歳まで」に拡大しようというものです。

たしかに支給期間が3年間も伸びるだけなら思い切った政策でしたが、バーターとして「扶養控除」の見直し(廃止または縮小)が検討されています。

扶養控除は減税措置の一つですから、実質的に「児童手当の支給期間を伸ばす代わりに増税するね」という内容で、これがなぜ少子化対策になるのか理解に苦しむと言わざるを得ません。

 

最後の「③多子加算」は、現行制度で「3歳以上小学校卒業まで」としている第3子以降の月額支給額15,000円を、「3歳以上高校卒業まで」に期間を拡大し、月額支給額も30,000円に増加しようとするものです。

たしかに、対象世帯にはメリットではありますが、この「第3子」のカウント方法が曲者で、子供としてカウントできるのは18歳となる年度末までとなっています。

つまり、3人の子どもがいる場合でも、最年長の第1子が高校を卒業したあとは、第3子が第2子に繰り上がって多子加算の対象から外れることになってしまうのです。

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■『児童手当の拡充(案)』に対する政府与党の修正案

報道やSNSの反応を見る限り、この拡充案への反応は散々なものだったようです。

そこで先般の修正案に繋がったものと思われますが、現時点で判明している修正点は大きく2点です。

1点目は、「②支給対象の引き上げ」に関連した修正です。

支給対象引き上げのバーターとして廃止または縮小が検討されていた扶養控除について、所得税の扶養控除38万円は25万円に、住民税の扶養控除33万円は12万円に引き下げる案で検討中であることが明らかになりました。

扶養控除の廃止でない分だけマシといえるかもしれませんが、「児童手当の支給期間を伸ばす代わりに増税するね」という根本思想が変わったわけではないため、今回拡充された分の効果はかなり限定的なものとなりそうです。(政府試算では、逆に負担増とならないよう配慮したらしいですが、最早本来の目的は何だったのか・・・)

 

2点目は、「③多子加算」に関連した修正です。

子供としてカウントできる年齢を「18歳となる年度末」→「22歳となる年度末」に延長する案で検討中であることが明らかとなりました。

これも若干の改善ではあるものの、この理不尽なカウント方法自体はそのまま残るため、根本的な課題は解決していません。

早速、SNSなどでは、「第1子が成長することによって第3子が急に第2子の扱いになる意味がわからない」「3人の人間を産み、育てることには変わりないのに・・・」「兄弟の年齢差が大きいほど支給額が減ることになり不公正を助長する」といった厳しい指摘が多く挙がっているようです。(著者もまったく同感です)

 

■結局、大半の人には大した恩恵はない!?

報道によると、少子化対策の支援パッケージ案は、この『児童手当の拡充』のほか、『住宅ローン控除の拡充』や『生命保険料控除の拡充』との組み合わせが想定されているとのこと。

しかし、現在分かっている範囲では、『住宅ローン控除の拡充』は上限額の引き下げ時期の延期が争点であり、今よりも制度が改善されるわけではなさそうです。

 

また、『生命保険料控除の拡充』についても、支払った生命保険料の一部が控除されるに過ぎず、拡充の恩恵を受けるには今よりも保険料を多く負担しなければいけません。

こうした一連の政策から感じるのは、「とにかく制度が複雑な割に、大半の人にはたいした恩恵がなさそう」ということです。

強いていえば、「①所得制限の撤廃」により、一定以上の高所得者にはそれなりの恩恵がありそうですが(それとて少し前に戻るだけのことですが)、それ以外の大半の人には微々たる効果しか実感できない規模の拡充です。

これが果たして『次元の異なる少子化対策』と呼べるのか、今回の修正案を見て失望感を強くした方も多いのではないでしょうか。

なお、児童手当の拡充分の初回支給は「2024年12月」予定とのこと。

 

このスピード感の遅さだけは、たしかに『異次元』といえるかもしれません・・・。

 

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