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「FIRE卒業」が静かなブーム!?その背景を解説します!

「FIRE卒業」が静かなブーム!?その背景を解説します!

「FIRE卒業」が静かなブーム!?その背景を解説します!

著者が資産運用のご相談をお受けしていると、「最終目標はFIREすることです!」と仰る方は少なくありません。

FIREとは、「Financial Independence,Retire Early」の頭文字をとった言葉で、経済的自立と早期リタイアを意味します。

不動産や金融などからの資産運用益(家賃や配当など)を生活基盤として、働かずして生活できるライフスタイルをイメージすれば分かりやすいでしょう。

著者の専門は不動産なのですが、実際に不動産投資でFIREを達成した方は多数いらっしゃいますし、他の分野(株式投資など)でもFIREした方が多くいらっしゃるのは周知の事実かと思います。

ところが、せっかくFIRE生活をスタートさせたのに、数年も経つとサラリーマンやフリーランスに戻る方が少なからずいらっしゃいます。

資産運用の成果が芳しくないケースだけでなく、資産運用自体は問題ないにも関わらず仕事復帰するケースも増えているようで、昨今では「FIRE卒業」という言葉が流行り出すほどです。

なぜ、せっかくFIREを達成されたというのに、仕事復帰する方が増えているのでしょうか?

本稿では、その背景を3つに分けて解説していきたいと思います。

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■「経済的理由」によるFIRE卒業とは!?

1つ目の背景は、「経済的理由」によるFIRE卒業です。

おそらく、一番想像しやすい理由ではないかと思いますが、FIRE時点で想定していた資産運用益が目減りしてしまった(または目減りしてしまう見通しが立った)というものです。

とりわけ、株式や為替を中心に資産運用益を計算していた方に多く、昨今の急激なインフレや円安、外国株の乱高下などが痛手となった模様です。

株式や為替は、元々リスク(ここでの「リスク」とは、資産運用における“不確実性“の意味です)の高い資産運用として知られていますが、運用益の実際の減少のみならず、将来的な不安定さを再認識し、FIRE卒業を決断された方もいらっしゃるようです。

その点、不動産の運用益を生活基盤にFIREした方に関しては、現時点で株式や為替ほどの外的環境の変化は起きていません。

建築原価の高騰や借入金利の緩やかな上昇は起きていますが、現在のところ全国的な家賃暴落や極端な空室率悪化などはなく、比較的に市況は安定しているといえます。

とはいえ、不動産投資によるFIRE卒業の事例がないわけではありません。

不動産投資では、基本的には収益物件取得時のリターン(家賃)が最も大きく、経年によって少しずつリターンが下がっていくことが一般的です。

さらに、購入した収益物件と金融機関からの借入の組み合わせによっては、数年後にデッドクロス(※)が発生し、リターンは変わらないのに税金負担だけが増える状況を生じやすいという特性を持っています。

(※)実際の利益以上に帳簿上の利益が出てしまう状況(分岐点)のこと

事前の備えなくこうした状況に嵌ってしまうと、リスクの低い不動産投資であってもFIRE卒業に繋がることがあります。

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■「将来不安」によるFIRE卒業とは!?

2つ目の背景は、「将来不安」を理由としたFIRE卒業です。

特に、FIRE前の職業が会社員・公務員の方に多いパターンで、主には年金などの社会保険制度に起因します。

たとえば、会社員の方であれば、年金は厚生年金、健康保険は健康保険組合または協会けんぽなどに加入しており、毎月の負担額は会社と折半して半額です。

これがFIRE後には、厚生年金は国民年金に、健康保険組合(協会けんぽ)は国民健康保険にそれぞれ移行し、その全額を自己負担することとなります。(国民年金や国民健康保険には「扶養」制度がないため、家族が多いご家庭ではさらに負担額が大きくなることもあります)

ご承知のとおり、保障内容は「厚生年金>国民年金、健康保険組合(協会けんぽ)>国民健康保険」ですから、毎月の保険料負担が増えたうえに、将来または有事の保障が手薄になってしまいます。

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<会社員時代>
 ・厚生年金(年金受給額:多い、負担:会社と折半、扶養あり)
 ・健康保険組合(保障:手厚い、負担:会社と折半、扶養あり)

<FIRE後>
 ・国民健康保険(年金受給額:厚生年金より少ない、負担:全額、扶養なし)
 ・国民健康保険(保障:健康保険組合ほど手厚くない、負担:全額、扶養なし)

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また、もう1つ大きな要因としては「退職金」があります。

会社員や公務員で期待できた退職金は、当然ながらFIREするとなくなってしまいます。(厳密にいえば、FIRE時点で退職金は先取りしているケースもあるでしょうが、定年まで勤務した場合と比べて少額のはずです)

1つ目でご紹介した「経済的理由」と合わせて考えることで、当面の生活には問題なくとも、将来(老後)を見据えてFIRE卒業を選択する方がいらっしゃるというわけです。

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■「FIRE生活の飽き」によるFIRE卒業とは!?

3つ目の背景は、これまでとは全く別の観点で、「FIRE生活の飽き」を理由としたFIRE卒業です。

FIREすると、これまで当たり前だった社会人生活が突然終わり、社会との繋がりが薄れてしまいます。

また、同世代の友人・知人の多くは現役で働いているため、周囲との生活リズムや価値観に溝が生じてしまい、プライベートでの人付き合いが難しくなるケースも珍しくありません。

そうなると、FIRE直後は楽しかった「好きな時間に、好きなことができる生活」にも、次第に飽きてしまう方も出てきます。

やがて、社会との繋がりや仕事のやりがいを求め、一度は手放した「仕事」を再び始める方もいらっしゃるというわけですね。

いかがでしょうか。

 

突き詰めて考えていくと、「Financial Independence(経済的自立)」の状態を続けるには、現在だけでなく“将来の経済的自立”が重要となりますし、「Retire Early(早期リタイア)」の状態を楽しむには、“仕事以外の楽しみ“が必要といえそうです。

「FIREは最終目標ではなく、長い人生の通過点」

そんな風に考えると、FIREへの見方も少し変わってくるかもしれませんね。

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