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ご存じでしたか!?中古車の販売価格表示が「支払総額」に変わります!

ご存じでしたか!?中古車の販売価格表示が「支払総額」に変わります!

ご存じでしたか!?中古車の販売価格表示が「支払総額」に変わります!

2023年10月より、中古車の販売価格の表示が「支払総額」に変わることをご存じでしょうか?

一般社団法人自動車公正取引協議会によると、

●大手等中古車専業店における「不当な価格表示」の常態化や「不適切な販売方法」の横行、また、「不適切な諸費用」の請求など、中古車の販売には、多くの問題点がみられること

●消費者に対するアンケートにおいては、支払総額表示を希望するとの回答が約9割となっていること

といった背景があるようで、自動車公正競争規約・同施行規則の改正を経て、今回の変更がルール化されるとのこと。

長らく続いてきた中古車販売業界の闇にいよいよメスが入るとして、一部の中古車販売業界の関係者からは動揺の声が聞かれる一方、公平・公正な市場競争に近づくことを歓迎する声も聞こえてきます。

今回のルール変更は関係者には一大事ですし、消費者にとっては大歓迎すべきイベントなのですが、必ずしも頻繁に中古車を購入するわけではない一般の方にとっては、何が問題で、何が改善されるのか、いま一つピンとこないかもしれません。

そこで本稿では、この「支払総額」ルール化に関して、現状の問題点と業界に与える影響について、分かりやすく説明していきます。

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■現状の中古車販売の問題点とは!?

読者の方のなかには、過去に中古車を購入したことのない方もいらっしゃると思いますので、まずは中古車購入の基本からご説明したいと思います。

中古車を購入するには、基本的には「車両価格」に加えて、「法定費用」「諸費用」を販売業者に支払う必要があります。

このうち「法定費用」とは、自賠責保険料、自動車税・自動車重量税および印紙代など自動車の取得・維持に関して法令で定められた費用全般を、「諸費用」とは各種代行手数料や保証・整備費用などをそれぞれ幅広く指すのですが、従来はこれら用語に明確な定義はありませんでした。

そのため、一部の不正な販売を目論む業者が、恣意的に「車両価格」を安価に表示して集客し、いざ商談が進むと強制・半強制の高額な「諸費用」を請求し、中古車購入に慣れていない消費者はよく分からないまま不当に高額な金額を支払うことになる、という状況が生まれてしまっていました。

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<中古車販売の問題点>

①「不当な価格表示」の常態化

安価な車両価格を表示、実際には表示価格で購入できない

 

②「不適切な販売行為」の横行

安価な車両価格でユーザーを集客し、商談時に「保証」や「整備」の購入を強制

 

③「不適切な諸費用」の請求

「納車準備費用」等、本来、車両価格に含まれるべき費用を諸費用として請求

 

【出典】『一般社団法人自動車公正取引協議会』ホームページより一部抜粋・加工

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また、今は中古車を探す際、インターネットで簡単に「価格の安い順」で並び替えができ、同種・同等の中古車の価格比較が容易にできる時代ですから、真っ当に商売をしている中古車販売店ほど集客に不利になってしまうという不健全な状況を生じさせる要因にもなっていました。

消費者保護の観点のみならず、中古車販売業界の公平・公正な競争環境を取り戻す観点からも、今回の「支払総額」ルール化は必要だったというわけです。

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■「支払総額」ルール化による影響とは!?

こうした問題に対して「支払総額」ルール化が決まったわけですが、より具体的には、2023年10月1日以降、中古車の販売価格を表示するには以下の条件を満たすことが必要となります。

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<改正後の中古車の販売価格の表示>

①販売価格を表示する場合は、「車両価格」に「諸費用」を加えた価格を「支払総額」の名称を用いて表示

②内訳として「車両価格」及び「諸費用の額」を表示

③「価格には保険料、税金、登録等に伴う費用が含まれている」旨を表示

④「当該価格は、登録等の時期や地域等について一定の条件を付した価格である」旨を表示

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これらの措置によって、消費者は「支払総額」による価格比較を容易にすることができ、後から認識していなかった「法定費用」や「諸費用」を請求されるケースは大幅に減るはずです。

また、特に定義が曖昧だった「諸費用」については、「検査登録手続代行費用」「車庫証明手続代行費用」を含めること、以下の費用は諸費用としては請求できないこと(車両価格に含めること)も、合わせてルール化されました。

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<諸費用として請求できないもの(車両価格に含めた表示が必要なもの)>

1)販売店が中古車を販売するにあたり、当然行うべき作業にかかる費用

【例】「納車準備費用」や「通常仕上費用」等、その名称の如何を問わず、納車前の「車内清掃」、「洗車」、「クリーニング」、「ワックスがけ」等の費用

 

2)納車前の最低限必要な点検・軽整備や、販売店が必ず実施する軽整備の費用、必ず付帯して販売する場合の「保証費用」や「定期点検整備費用」

【例】「納車点検費用」や「納車整備費用」等、その名称の如何を問わず、納車前の「点検」や「オイル、バッテリー交換」等の軽整備の費用等

 

3)その他、本来、販売する中古車の「車両価格」に含まれるべき性質のもの旨を表示

【例】「土日祝納車費用」、「利益」、「販売手数料」、「オークション陸送費」、「広告掲載料」等

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こうした「諸費用」の定義は一般人にも納得感のある内容となっており、「支払総額」と同時にルール化されることで、不健全な販売手法への大きな抑止力が期待できそうです。

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いかがでしょうか。

今回のルール変更をきっかけに、中古車販売業界の取引環境は健全化することが期待されます。

もっとも、スマホの「1円販売」が総務省からどれだけ注意を受けても、姿を変えてなかなか無くならないことを思えば、これで全ての問題が解決すると考えるのはちょっと甘いのかもしれません。

今回のルール変更をきっかけに業界の事情や問題点を理解し、消費者側も賢くなっていくことが必要な時代なのかもしれませんね。

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