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消費者保護の法改正!!拡大するサブスクサービスの今後はどうなる!?

消費者保護の法改正!!拡大するサブスクサービスの今後はどうなる!?

消費者保護の法改正!!拡大するサブスクサービスの今後はどうなる!?

皆さんは、サブスク(サブスクリクション)サービスを利用していますか?

サブスクとは、月額料金等の定額を支払うことにより、契約期間中、商品やサービスを原則として回数無制限で利用できるサービスの総称です。

動画配信サービス「Amazonプライム・ビデオ」「Netflix」「Hulu」「DAZN」や、音楽配信サービス「Amazon Music Prime」「Apple Music」などが有名ですが、近年では飲食利用・ファッション利用といった、新たな形態のサブスクサービスも話題を集めています。

サブスクは、インターネットの普及や多様化するライフスタイルの変化を背景に急速に市場を拡大しましたが、市場の急成長に法整備が追いつかず、事業者と消費者のトラブルも急増しているといった問題も抱えています。

本稿では、そんなサブスクの現状と直近での法改正の動向について、分かりやすく説明していきます。

※本稿でのサブスクには、新聞・雑誌等の定期購読、インターネットプロバイダー・携帯電話の契約、公共交通機関の定期券の購入等は含みません。

■サブスクに関心のある人は半数を超える!!

まずは、サブスクがどのくらい普及しているのか、どのくらいの人がサブスクに関心を持っているのかを確認しておきましょう。

以下は令和3年9月に消費者庁が公表したアンケート結果です。

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【出典】消費者庁ホームページ 令和3年9月15日(水)付
『店頭購入及びサブスクリプション・サービスに関する意識調査結果』より抜粋
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やはりというべきか、利用者の多いサブスクは動画配信サービス・音楽配信サービスに集中している模様。

また、「現在利用中」「今後の利用したい」を合わせると、実に半数以上の人がサブスクに関心があることが分かります。

もはやサブスクは一部の人だけが知っているサービスではなく、広く普及して市民権を得たサービスの一つであると考えてよさそうです。

■法整備がサブスクの拡大に追いつかない現状!

しかし、冒頭でも触れたように、サブスクにはその急速な普及に法整備が追いついていないという問題点もあります。

サブスクでは、新規ユーザー獲得のために無料お試し期間を設けるケースも多いのですが、無料期間から有料期間への切り替えや、有料期間移行後の解約やプラン変更が分かりにくいといった点について、サービス事業者と消費者の間で、しばしばトラブルとなっています。

以下は、先ほどと同じ消費者庁アンケート結果の抜粋ですが、ランキング2位の「プラン変更や解約のための手続きが煩わしい」といった点にも、そうした現状が反映されていると見てよいでしょう。

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【出典】消費者庁ホームページ 令和3年9月15日(水)付
『店頭購入及びサブスクリプション・サービスに関する意識調査結果』より抜粋
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■サブスクの問題解消に向けた2つの法改正とは!?

こうしたサブスクの問題点を解決すべく、直近で2つの法改正の動きがありました。

1つ目の法改正は、令和4年6月より施行された改正特定商取引法です。

特定商取引法は、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律で、訪問販売や通信販売等の消費者トラブルを生じやすい特定の取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルール等を定めています。

サブスクに関連する部分としては、改正特定商取引法の施行日以降、ウェブサイトやアプリでサブスクを申し込む際の最終確認画面(※)において 次の契約事項をサービス申込者が簡単に確認できるよう表示することが義務化されました。

(※)最終確認画面とは、
サブスクリプション契約を含むECにおいて、消費者がその画面内に設けられている申込みボタン等をクリックすることにより契約の申込みが完了することとなる画面のこと。

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<改正特定商取引法による表示義務>

(1)提供するサービスの期間・回数等に関する事項
・サービスの提供期間や提供時期を明示(無期限や自動更新である場合には、その旨も)
・期間内に利用可能な回数が決まっている場合には、その内容を明示
・どのサービスプランを申し込んでいるかも明示

(2)提供するサービスの料金に関する事項
・無料で使える期間が終了すると自動で有料プランに移行するなど、途中から金額が変わる場合には“有料プランに切り替わる時期”や“有料プランで支払う金額“を明示
・支払時期・方法(いつ、いくら支払うのか / どのような方法で支払うのか)を明示 
(3)キャンセル・解約に関する事項
・キャンセル・解約の方法(連絡方法・連絡先)や条件を明示。特に、申込時と比べて制限的・複雑な方法である場合には、その旨の最終確認画面への明示が必要
・解約等の申出期限がある場合には、いつまでに申し出る必要があるかを明示
・違約金が発生するなどの不利益が生ずる場合には、その旨と内容も明示

【出典】消費者庁ホームページ
『サブスクリプションサービスをオンライン契約により提供されている事業者様へのお知らせ』より抜粋
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そして2つ目の法改正は、令和4年5月25日に参議院で可決された改正消費者契約法です。

消費者契約法は、事業者と消費者では、持っている情報の質・量やその交渉力に格差があることを前提に消費者の利益を守るための法律で、不当な勧誘による契約の取消しと不当な契約条項の無効等を規定しています。

令和5年施行予定の同法改正により、消費者の求めに応じて契約解除に必要な情報を提供することが事業者の“努力義務”となり、先に施行された改正特定商取引法と併せて運用されることにより、サブスクの問題解消に期待が寄せられています。

いかがでしょうか。

サブスクは大変便利なサービスではありますが、消費者の利益を守る法整備は、まだまだ道半ばといったところ。

特に、改正消費者契約法が事業者の“努力義務”となった点に対しては、その実効性について厳しい指摘もなされています。

安心して便利にサブスクを利用するため、消費者側も注意すべきところはしっかり注意して、上手に付き合っていくのがよさそうです。

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