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FPと考える!家計見直しのコツ③ ~支出(変動費)編~

FPと考える!家計見直しのコツ③ ~支出(変動費)編~

FPと考える!家計見直しのコツ③ ~支出(変動費)編~

本シリーズでは、FPの考える効率的な“家計の見直し”をテーマにご説明しています。

これまでの記事では、家計の見直しの前提として、家計のお金を「収入」「支出(固定費)」「支出(変動費)」の3つに分けて管理することと、具体的な「支出(固定費)」の見直し方法について解説しました。(未読の方は是非、これまでの記事からご覧ください)

<これまでの記事>
FPと考える!家計見直しのコツ① ~家計管理の基本編~

FPと考える!家計見直しのコツ② ~支出(固定費)編~

シリーズ3回目となる本稿では、「支出(変動費)」の見直し方法について解説していきます。

■変動費の見直しでも、我慢やストレスをなるべく避けよう!

本シリーズでは、シンプルに『ある程度決まった時期・金額で、毎月(または毎年)発生する支出』を「固定費」、それ以外を「変動費」としています。

「変動費」の具体例は以下のとおりです。

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<支出(変動費)の例>
・食費(日常の食材費・日用品費など)
・光熱費(水道・電気・ガスなど)
・通信費(電話・インターネットなど)
・娯楽費(旅行やレジャー費など)
・医療費(通院代・薬代など)
・資産運用、自己啓発費
・その他

一般に、家計の見直しや節約といえば、「変動費の削減」をイメージする方が多いようで、なかでも「食費」「娯楽費」などが真っ先にやり玉に挙がります。(TV番組などでも、「お昼は外食をやめてお弁当にしています」といった話がよく放送されていますね)

しかし、本稿では敢えてそれに「待った!」をかけたいと思います。
食費や娯楽費を削ることで、たしかに即効性のある効果は期待できるものの、「本当は外食したい」「本当は遊びに行きたい」といった“我慢”を伴い、長期的に続けるのは難しいからです。(仮に、鉄の意思で継続できても、長い間ストレスを感じ続けることになってしまいます)

そこで、変動費の見直しでは、次のような方法を先に試してみることをお勧めいたします。

■変動費も、固定費と同じように見直しをする! 

前回の記事で、家計の見直しでは「固定費」への対応が重要であることをご説明しました。
これを「変動費」にも転用して、変動費のなかから固定費と同じように見直しできる部分を探し、そこから優先的に見直しを図ることがコツです。

たとえば、変動費のひとつ通信費のうち、毎月の「携帯電話料金」は、通話時間やデータ通信量に応じて金額が変わります。

これに対して、「なるべく通話を控えよう」「なるべくデータ通信量を減らそう」とすると、前述した食費や娯楽費の削減と同じように、即効性のある効果は期待できても、我慢やストレスもまた継続的に生じてしまいます。

それよりも、契約先の携帯電話会社を見直したり、料金プランを見直したり、通話料・通信量フリーのアプリやWifi環境を導入したりなどによって、「同じこと(あるいは許容可能なほぼ同じこと)を続けても支出は自動的に減る」状況を作る方が簡単で合理的です。

「いやいや、携帯電話料金なんて、とっくに見直しているよ」という方であれば、ご自宅のインターネット回線、あるいは通信費以外で「電気代」「ガス代」「灯油代」といった光熱費などでも、同じ考え方でしっかり見直しは出来ているでしょうか? 

見直しの作業はその瞬間こそ億劫ですが、一度見直してしまえば、長期間に渡って我慢やストレスなく、毎月数千円~数万円の家計の節約に繋がります。
家計の見直しのコツは、家計の管理をしたうえで、まずは「固定費」、そして「変動費」の固定費的な部分から着手することにあるわけです。

■さらなる見直しには、「消費」「浪費」「投資」の違いを意識すべし!

こうした見直しを完了させても家計が厳しい場合、どうしても我慢やストレスを伴う節約が避けられないこともあります。
但し、その場合でも、闇雲に「食費」「娯楽費」などを節約するのではなく、メリハリをつけた対応が大切です。

お勧めの方法としては、支出を「消費」「浪費」「投資」に分けて整理することです。

「消費」とは日常生活に必要な支出、「浪費」とはそれを超える支出と考えてください。

たとえば、「食費」のうち、お米や日用品を購入する支出は「消費」ですし、度を越えた飲み会は「浪費」といえます。

とはいえ、「消費」と「浪費」の境目は人それぞれですから、無理に第三者の意見に寄せて整理する必要はありません。

たとえば、飲み会のうち二次会までは「消費」と考える人もいらっしゃるでしょうし、飲み会は一次会でも「浪費」だと考える方もいらっしゃるはずで、どちらが正解という話ではありません。

大切なことは、家計ごとに「消費」と「浪費」を納得のうえで線引きして、節約の優先順位を可視化(明確化)することです。

闇雲に我慢を重ねる節約は苦しいだけですが、自ら「浪費」と自覚した支出を減らす努力であれば受け止め方はずいぶん異なるはずです。

もう1つの「投資」とは、将来のリターンを得るための戦略的な支出です。

「投資」といっても、なにも不動産や金融商品(株や債権など)を購入することだけではありません。
自分の市場価値を高めるために技術や語学などを学んだり、副業スキルを習得したりすることも立派な「投資」なのです。

家計の苦しい時期には目の前のことで精一杯かもしれませんが、「食費」や「娯楽費」などの我慢には限界がありますし、少しずつでも収入を増やすことも並行して考えていかねばなりません。
著者自身も、よくYouTubeやブログなどで情報収集をしていますが、いまは無料でも多くの情報に触れることができる時代です。

最終的に「収入>消費+浪費+投資」を目指すことをイメージしつつ、まずは無料の範囲からでも、「投資」に意識を向けることも大切だと思います。

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