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現役大家が答えます!賃貸物件を探すならいつがよいの?

現役大家が答えます!賃貸物件を探すならいつがよいの?

現役大家が答えます!賃貸物件を探すならいつがよいの?

「賃貸物件を探すなら、いつがよいの?」
現役大家でもある著者のところには、友人・知人からこんな質問をいただきます。
実際、賃貸物件のマーケットには明確な繁忙期・閑散期があり、部屋を探す時期によってずいぶんと事情が変わるため、それぞれのご事情に合った引越し時期を検討することは、とても大事なことだと思います。
そして、お得に部屋を借りるには、賃貸物件のマーケット事情を知り、貸す側の大家さんの事情を知ることが近道です。
本稿では、現役大家の目線から賃貸物件のマーケット事情を解説し、著者の考える「お得に賃貸物件を借りやすい時期」についてご説明していきます。
なお、本稿でのご説明はあくまでも一般論としての解説です。個別のケースにおいては、エリア特性や大家さん各人のお考えによって、本稿の解説とは異なる場合も当然発生しますが、その点はご了承いただきますよう、お願いします。

■賃貸物件のマーケット事情

前述したように、賃貸物件のマーケットには明確な繁忙期・閑散期がありますので、まずはその点からご説明しましょう。
まず、賃貸物件マーケットの繁忙期ですが、基本的には「1月後半から5月前半」および「9月後半から10月前半」頃です。
これは、企業や学校などの新年度および前後半期に合わせて、引越しを検討する方が増えることに起因しています。
特に、4月1日までに新居への引っ越しを終えたい方は多く、2月と3月は繁忙期のなかでも突出して活況を呈することになります。
逆にそれ以外の時期は、世間での引っ越し需要が落ち着くため、賃貸物件のマーケットは閑散期となります。
お得に賃貸物件を探すにあたっては、まずはこの大前提をしっかり理解することからはじめましょう。

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<賃貸物件の繁忙期>
  1月後半から5月前半、9月後半から10月前半頃
  ※特に2月と3月が最繁忙期

<賃貸物件の閑散期>
  上記以外の時期

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■繁忙期と閑散期のどちらを狙うべきか!?

では、賃貸物件を探す時期として、「繁忙期」「閑散期」のどちらがよいでしょうか?
結論からいえば、それぞれに一長一短の特徴があるため、絶対的にどちらが良いということはありません。
大切なことは「繁忙期」「閑散期」の特徴を理解し、ご自身の賃貸物件探しに向いた時期を考えることです。
これから順番にそれぞれの特徴を説明しますので、是非、ご自身の事情をイメージしながら読み進めていただければと思います。

①繁忙期の特徴
繁忙期に引っ越しを検討する人が多いということは、新居を探す方だけでなく、退去する方も多いということです。
そのため、賃貸物件の絶対数(募集中の部屋の数)は繁忙期に急増しますので、借り手にとっては豊富な選択肢のなかから、ご自身の希望に沿った立地や間取りなどの部屋を探しやすい時期となります。
しかし、新居を探す方が多いことから、一般に家賃値下げなどの条件交渉には向かない時期でもあります。(繁忙期の終盤であれば、繁忙期中に確実に空室を無くしたいと考える大家さん側の思惑から、条件交渉の余地は大きくなります)
また、賃貸物件を仲介する不動産業者も目の回るような忙しさとなるため、候補となる賃貸物件は豊富にあっても、じっくりと複数の部屋を内覧したり、時間をかけて検討することは難しい時期といえます。

②閑散期の特徴
春の繁忙期は5月前半(ゴールデンウィーク頃)までとなりますが、5月以降は退去が発生する部屋はぐっと減る傾向にあります。また、5月以前に退去や退去予告のあった部屋についても、人気の物件は繁忙期中に契約が決まっているケースが多いことでしょう。
そのため、秋の繁忙期までの5月中旬から8月頃までは、パラパラと発生する新着物件や繁忙期に決まらなかった物件のなかからの部屋探しということになりますので、希望する立地や間取りに拘りの強い方ほど、部屋探しに苦戦する時期となるかもしれません。
その一方で、大家さん側としても繁忙期を外した募集である点は認識していますので、家賃の値下げやフリーレント、初期費用の減額などの交渉は比較的しやすい時期です。
また、不動産業者も比較的余裕があるタイミングですから、じっくりと複数の部屋を内覧したり、時間をかけて検討するには向いている時期といえます。
なお、同じ閑散期であっても、春の最繁忙期を控えた11月・12月は、比較的に条件交渉が難しい傾向にあります。
大家さんとしては、条件を下げて11月・12月に決めることと、条件を変えずに(または条件を上げて)繁忙期に決めることの天秤となるためです。
秋の閑散期を狙う場合、こうした大家さん側の事情を知っていると交渉がスムーズにいくこともあるでしょう。

■「賃貸物件を探すなら、いつがよいの?」に迷ったら、、、

最後に、本稿のテーマである「賃貸物件を探すなら、いつがよいの?」について、著者個人としての見解に触れておきましょう。
「いつがよいの?」と迷っているということは、今すぐに引越しをする必要性はない状況なのでしょうから(転勤などによる引越しであれば、そもそも「いつがよい?」とは考えませんね)、それであれば「閑散期」の引っ越しがおすすめです。
住居費のような大きな固定費では、家賃やフリーレントなどの条件が僅かに「お得」になる程度でも、その効果は大きいものです。(たとえば、月3,000円の家賃値下げでも4年住めば14.4万円にもなります)
また、引越し業者を利用する場合には、引越し料金についても繁忙期と閑散期では大きな金額差が生じることが多く、引越しにかかる費用トータルでは更に大きな金額を節約できることもあるでしょう。
問題は賃貸物件の選択肢ですが、ある程度人の動きのある街であれば、「閑散期だから賃貸物件の候補が全然ない!」ということはまず考えにくく、実際、長年大家業をやっていても、閑散期の退去はそれなりに発生しています。
ある程度長い期間、賃貸物件を探せる状況であれば、是非「閑散期」から物件を探してみてはいかがでしょうか。

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