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金利が上がっても6割は買う、26%は迷う。中古マンション購入を「金利予想」以外で決める方法

金利が上がっても6割は買う、26%は迷う。中古マンション購入を「金利予想」以外で決める方法

金利が上がっても6割は買う、26%は迷う。中古マンション購入を「金利予想」以外で決める方法

住宅ローンの変動金利が、この10月に動きました。大手5行のうち3行が変動型の最優遇金利を引き上げ、5行の平均は1.389%になりました。全期間固定のフラット35は最低金利(借入期間21年以上・融資率9割以下)が3.83%で、現行制度になった2017年以降で最も高い水準です。背景には、日銀の政策金利が6月に1.0%、9月に1.25%(2026年10月29日時点)へ上がったことがあります。

こうしたニュースが続く中で、中古マンションを買おうとしていた人は何を考えているのか。中古マンションの仕入れ・販売を手がける株式会社リアークスファインドが、2026年10月8日〜9日に一都三県在住の300人(5年以内に住居用として中古マンションの購入を検討中)を対象に行った調査が、10月29日に公表されました。

結果を一言でいえば、「やめた人はほとんどいない。ただし8割が、固定か変動かで悩んでいる」です。この記事では調査の数字を手がかりに、金利が上がった局面で何をどの順番で決めればよいかを考えます。

「延期」「見送り」は合わせて7%にとどまった

金利上昇のニュースを受けた現在の購入意向は、次のように分かれました。

・予算や条件を見直したうえで、購入を進める:36.3%
・購入するか、賃貸にするかで迷っている:26.0%
・購入の方針は変わらず、予定通り進める:24.7%
・購入を見送り、賃貸住宅に住む(住み続ける)ことにした:3.7%
・購入を延期することにした:3.3%
・わからない/答えられない:6.0%

「予定通り」と「条件を見直して進める」を合わせると61.0%。金利が上がったからやめる、という人は見送りと延期を足しても7.0%です。金利上昇は購入をあきらめさせるというより、予算や条件を組み直す方向に働いている、と読めます。

それでも26.0%は「買うか借りるか」で迷っています。この26%の方を主な読者と考えて、先を書きます。

買う理由の1位は「家賃を払い続けるより資産になる」

購入を進める人に理由を聞くと、最多は「家賃を払い続けるより資産になるから」の51.9%でした。「今後さらに金利が上がる前に購入したい」29.5%、「今後さらに住宅価格が上がると思う」29.0%が続きます。

一方、ためらう・見送る人の理由は「住宅価格が高く、予算内で買える物件が少ない」が41.4%で最多。次いで「金利がさらに上がり返済が苦しくなりそう」「物価上昇で頭金や貯蓄を増やしにくい」「修繕積立金や管理費が今後上がりそう」が同率31.3%で並びました。管理費や積立金を中古マンション選びでどう見るかは、大規模修繕の談合をきっかけにした別の記事で書いています。

両方を見比べると、買う側は「資産になる」という将来の話で決め、ためらう側は「毎月いくら出ていくか」という足元の話で止まっています。どちらが正しいというより、見ている時間軸が違います。この2つを同じ数字で見比べる方法を、このあと試算します。

固定か変動か。8割が「難しい」と答えた理由は情報不足ではない

住宅ローンを変動金利と固定金利のどちらにするかの判断について、「非常にそう感じる(難しい)」40.7%、「ややそう感じる」40.0%。合わせて80.7%が難しいと答えています。

難しい理由の上位は、「専門家や情報源によって意見が異なるから」48.3%、「金利の見通しに関する情報が多すぎるから」45.5%、「自分の状況に当てはめて考えにくいから」30.6%。足りないどころか多すぎる。しかも言っていることが食い違う。これが8割の正体です。

ここで押さえておきたいのは、「どちらの金利が将来お得か」は誰にも分からない、ということです。専門家の意見が割れるのは当然で、割れている問いに答えを探しても出てきません。代わりに、答えが出る問いがあります。「金利が上がったとき、自分の家計はいくらまで耐えられるか」です。これは自分の数字で計算できます。

4,000万円を35年で借りた場合、変動と固定の差はいくらか

借入額4,000万円、返済期間35年、元利均等返済で試算します。金利は10月の大手5行の変動型平均1.389%と、フラット35の最低金利3.83%を使います。

変動1.389%の場合
毎月の返済額:約12万300円
35年の総返済額:約5,053万円(うち利息約1,053万円)

固定3.83%の場合
毎月の返済額:約17万3,100円
35年の総返済額:約7,268万円(うち利息約3,268万円)

月の差は約5万2,700円、35年では約2,215万円です。変動が35年間この水準のまま動かなければ、という上限の数字ですが、固定を選ぶというのは、この差額を「金利が上がらない保証」の代金として払う、ということです。なお、どちらの利息も住宅ローン控除を受ける前の数字です。

逆に変動を選ぶなら、金利が1ポイント上がった場合の返済額を先に見ておきます。借入当初の金利が2.389%なら、毎月の返済額は約14万600円。1.389%のときより約2万300円増えます。借りたあとに上がった場合、返済額がすぐ変わるかは銀行の取り扱いによりますが、負担として増える額はこの程度です。この2万円を、毎月の家計のどこから出すのか。今の家計で答えが出るなら変動でも持ちこたえられますし、出ないなら固定の差額は保険料として安いかもしれません。判断の材料は金利の予想ではなく、自分の家計の余力です。

なお、今回の引き上げは6月の利上げを受けて銀行が短期プライムレートを上げたことの反映で、9月の利上げ分はまだこれからです。新規に借りる人の金利は早い銀行で10月以降順次、すでに借りている人の適用金利は年2回(4月1日・10月1日基準)の見直しで動き、10月基準の分は来年1月の返済分から変わるのが一般的です。いま見えている変動金利には、まだ上がる余地が残っていると考えておくほうが安全です。

返済額が増えたら削るのは旅行と外食。NISAも3割が候補に

調査では、金利上昇で返済額が増えた場合に節約する支出も聞いています。上位は「旅行・レジャー費」39.3%、「外食費」37.7%、「趣味・娯楽費」34.7%。まず旅行と外食から、という順当な答えです。

気になるのは4位の「NISAなど積立投資・貯蓄の額」30.7%です。住宅ローンの返済が増えると、3割の人は将来のための積み立てを減らすと答えています。住まいを「資産」として買ったはずなのに、別の資産形成が止まる。これは変動を選ぶ人ほど起きやすいことです。先ほどの「金利が1ポイント上がったら月2万円増える」という計算は、「その2万円をNISAから抜かずに済むか」という問いに置き換えると、答えが出しやすくなります。住宅ローンと積み立ての優先順位については、お金の置き場所を考えた記事も参考にしてください。

相談相手は配偶者が4割、専門家は1割

購入判断を誰に相談しているかでは、「配偶者・パートナー」40.7%、「友人・知人・職場の同僚」22.3%、「親・親族」19.0%。不動産会社の担当者は18.0%、金融機関の担当者は14.3%、ファイナンシャルプランナーなどの専門家は10.7%でした。「誰にも相談していない」も15.3%います。

金利や資金計画の情報源も「インターネットの記事・比較サイト」51.3%、「テレビや新聞のニュース」44.0%が中心で、専門家を情報源にしている人は1割程度です。

家族と話すのは当然として、ネットの記事は一般論しか書けません。この記事もそうです。「自分の家計で金利が1ポイント上がったらどうなるか」は、年収・頭金・ほかの借入・子どもの教育費の予定といった個別の条件を並べないと出てきません。金利タイプの判断が難しいと答えた人のうち21.5%が「相談すると営業を受けそうで不安」を理由に挙げているのも分かりますが、聞きに行く前に自分の数字を一度並べておけば、相手の話が営業か助言かも見分けやすくなります。

最後に

金利が上がっても6割が購入を続け、やめた人は7%。その一方で8割が固定か変動かで悩み、3割は返済が増えたらNISAを削ると答えました。調査が映しているのは、「買うかどうか」より「買ったあと家計がどう動くか」を決めきれていない姿だと思います。

金利の先行きは誰にも読めません。読めないものを読もうとするより、「上がったら月いくら増えるか」「それをどこから出すか」という自分の数字を先に出しておく。それだけで、情報が多すぎて決められない状態からは抜けやすくなります。迷っている26%の方は、まずそこから始めてみてください。

まずは30秒、ご自身のタイプを知ることから

買うか借りるかを決める前に、お金とのつき合い方のタイプを知っておくと判断の軸が決まります。簡単な質問に答えるだけで、ご自身のタイプが分かります。

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