資産運用

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金利が上がる今、住宅ローンだけ見ていて大丈夫?FPが考える「お金の置き場所」

金利が上がる今、住宅ローンだけ見ていて大丈夫?FPが考える「お金の置き場所」

金利が上がる今、住宅ローンだけ見ていて大丈夫?FPが考える「お金の置き場所」

ここ数年、私たちを取り巻くお金の環境は、これまでにないスピードで大きく変化しています。

 

歴史的な円安や原材料高を背景とした物価上昇に加え、日本銀行の金融政策修正に伴い国内でも金利が少しずつ動き始め、「住宅ローンの金利が上がる」というニュースを目にする機会も増えました。

住宅ローンを利用している人の中には、毎月の返済は大丈夫だろうか、繰上げ返済を急いだ方がいいのではないか、と不安や疑問を感じている人も少なくないでしょう。

一方で、まだまだ預金だけではお金が増えにくい時代でもあり、新NISA制度のスタートなどをきっかけに資産運用への関心が高まっています。

 

こうした円安・金利上昇、物価上昇、資産運用の必要性が同時に押し寄せている状況だからこそ、大切なのは住宅ローンという負債だけを点で見るのではなく、資産も含めた家計全体のお金の流れを線で考えることです。

今回は、金利上昇局面だからこそ考えたいお金の置き場所について、FPの視点から分かりやすくお伝えします。

 

【INDEX】

■住宅ローンだけを見て判断する時代ではない

■「お金の置き場所」が家計を左右する

■最後に

 

住宅ローンだけを見て判断する時代ではない

住宅ローンは、多くの家庭にとって人生で最も大きな負債です。

そのため金利が上がるというニュースを見ると、早く繰上げ返済をした方がいいのではと考えてしまうのはごく自然なことです。特に変動金利を利用している場合、金利が0.1%上がったら、総返済額が何十万円増えるといったシミュレーションを見て焦ってしまう方も少なくありません。

しかし、だからといって住宅ローンだけに目を向けるのは少し危険です。

 

例えば、不安に駆られて手元資金を一気に繰上げ返済に充ててしまうと、利息負担は減りますが急な医療費や教育費、住宅の修繕費などの出費に対応できなくなる可能性があります。

一度銀行に返してしまったお金は、後からやっぱり戻してほしいと思っても二度と手元には戻りません。

 

また、現在の住宅ローンは金利が上がり始めているとはいえ、過去に固定金利や非常に低い優遇金利の変動金利で借り入れた方の多くは、依然として1%未満、あるいは1%台前半という比較的低い金利で借りられているケースも多く、家計全体を考えれば、無理に返済を急ぐことが必ずしも最善とは限りません。

さらに一定条件を満たしていれば住宅ローン控除を受けているケースもあり、実質的な金利負担はほぼゼロ、あるいはプラス(逆ざや)になっているケースもあります。

住宅ローンはいかに早く返済するかという視点だけでなく、家計全体のバランスを見てどう付き合っていくかを考えることが大切です。

 

「お金の置き場所」が家計を左右する

住宅ローンと同じくらい重要なのが、手元にある余裕資金をどこに置いておくかという資産配置の視点です。

 

これまでは、投資は怖いからとりあえず銀行預金に置いておくというのが日本人の定番でした。

しかし現在は、物価が年2〜3%で上昇している局面において預金金利がそれ以下であれば、お金で買えるモノの価値は実質的に目減りしていくため、お金の置き場所によっては将来の資産形成に大きな差が生まれる可能性があります。

 

ではこうした時代の中で、私たちはどこにお金を置けばよいのでしょうか。

ポイントは、商品の良し悪しで決めるのではなく、使う時期と目的によってお金の置き場所を三つに分けておくことです。

 

●流動性資金:今すぐ~1年以内に使うお金

目的: 毎月の生活費、急な病気や失業、トラブルへの備え(生活防衛資金)など

置き場所: 銀行の普通預金・定期預金など

考え方: 金利上昇によって、ネット銀行を中心に普通預金金利を引き上げる動きも出てきました。ここでは増やすことよりいつでも引き出せる流動性・使いやすさを最優先し、最低でも生活費の3ヶ月〜半年分はここに確保します。

 

●安全性・安定性資金:10年以内など中期で使うお金

目的: 子どもの教育費(入学金や授業料など)、車の買い替え、住宅の修繕費など

置き場所:定期預金、 個人向け国債や格付けの高い債券、投資信託(NISA)など

考え方: 元本割れのリスクはなるべく避けたいけれど、普通預金よりは少しでも有利に運用したい資金向け。

また近年は金利環境の変化を背景に、これまで以上に債券という選択肢にも注目が集まっており、株式ほどのハイリターンは難しいものの、守りながら物価上昇に負けない程度に増やすという役割を担います。

 

●収益性資金:10年、20年以上の長期運用ができるお金

目的: 老後資金、遠い将来のための資産形成

置き場所: 投資信託(NISA・iDeCo)、個人年金保険など

考え方: 長期間使う予定がないお金であれば、一時的な価格変動リスクを受け入れることができます。過去の歴史が示す通り、世界経済の成長に連動する投資信託への長期・積立・分散投資は、物価上昇を乗り越えて資産を大きく育てる強力な手段となります。

 

仮に住宅ローンの金利が1.5%に上がったとしても、新NISAを活用した長期投資で期待できるリターンがそれを上回る(例:年利3〜5%程度)のであれば、手元資金を繰り上げ返済に回すよりもNISA口座で運用を継続した方が、トータルの純資産は増えることになります。この「金利と運用利回りのバランス」を比較することが大切です。

 

最後に

住宅ローンの金利上昇というニュースを見ると、私たちはどうしても住宅ローンそのものに意識が向きがちです。

しかし、本当に見直すべきは住宅ローンだけでなく、借りているお金(負債)と貯める・育てるお金(資産)のバランスシート全体です。

 

実際のご相談でも、多くの方から「住宅ローンは早く返した方がいいですか?」というご質問をいただきます。

まずは住宅ローンだけを見るのではなく、預金や資産運用も含めた家計全体のバランスシートを見て、どこにお金を置くのがそのご家庭によって良いのか、総合的に判断するようにしています。

 

金利が動き始めた今だからこそ、家計全体のバランスシートについて棚卸をしていただき、ご自身のお金の置き場所について考えてみてはいかがでしょうか。

 

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