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タワマン節税は今年限り!?資産家・富裕層へも厳しい増税か!?

タワマン節税は今年限り!?資産家・富裕層へも厳しい増税か!?

タワマン節税は今年限り!?資産家・富裕層へも厳しい増税か!?

以前、相続税対策の一つとして、不動産、とりわけタワーマンション購入による節税方法(以下、「タワマン節税」)についてご説明しました。

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<参考記事>
今さら聞けない!?相続対策にタワーマンションって、どういうこと!?
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相続税対策の観点では、一般に現金をたくさん所持しているよりも、生前に不動産を購入しておく方が有利になるケースが多い仕組みとなっています。

また、購入しておく不動産についても、戸建てや低層マンションよりも、タワーマンションのような土地を有効活用した総戸数の多いマンションの方が、さらに節税効果は大きくなる傾向にあります。

そのため、近年では相続税対策に熱心な一部の資産家・富裕層がこぞってタワーマンションを買い付け、合法かつ大幅に相続税を抑えることができるとして、タワマン節税が大流行した経緯があるのです。

とはいえ、国や国税庁が、税収減に直結するこうした状況をいつまでも見逃すはずもありません。

これまでも、節税の度が過ぎた事例では、個別に国税庁が介入したケースもありましたが(令和4年には国税庁の介入を認める最高裁判決も出されました)、いよいよ2024年度からは本格的にタワマン節税潰しを目的とした制度改正が行われることが報道によって明らかになりました。

具体的な改正内容は、パブリックコメントなどを経てこれから決まっていくと思われますが、本稿では23年7月下旬現在で分かっている情報から速報として解説していきます。

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■制度改正の影響はお金持ちだけ!?

まずは、相続税の課税額がどのように計算されるのか、簡単におさらいしておきましょう。

原則として、相続税の対象となる相続財産は、被相続人が亡くなった時点に所有していた「全ての財産」です。(現金預金だけでなく、不動産や株式等の有価証券も対象です)

但し、相続税額の算定にあたっては、被相続人の借入金など控除できる債務および葬式費用を差し引くことができるほか、法定相続人の人数に応じた基礎控除額の設定があります。

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<基礎控除額(2015年~>
3,000万円+600万円×法定相続人の人数

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たとえば、法定相続人が「配偶者1人、子供2人」のケースであれば、相続税の基礎控除額は4,800万円(3,000万円+600万円×3人)となり、相続財産の金額がこれを超えなければ、相続税は課税されません。

相続財産がこれほど高額となるケースは多くはないでしょうから、そうした意味では、今回の制度改正の影響は、一部の資産家・富裕層(あるいはそれに準じる世帯)にほぼ限定したものであると見ることもでき、一部のSNSなどでは「この増税に限れば、お金持ちのズルい節税を封じる良い増税だ」といった声も聞こえてきます。

しかし、「お金持ち」を擁護するわけではありませんが、前述した相続税の基礎控除額は2015年度から大幅に引き下げられた事実もあります。

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<基礎控除額(~2014年度)>
5,000万円+1,000万円×法定相続人の人数

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先ほどの「配偶者1人、子供2人」のケースでいえば、基礎控除額が8,000万円(5,000万円+1,000万円×3人)→4,800万円にほぼ半減してしまったわけですから、一気に税の負担感が増したことは想像に難くありません。

タワマン節税の是非はさておき、なんらかの相続税対策を検討する気持ちは分からなくもない話ではあるのです。

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■不動産を活用した相続税節税の仕組みとは!?

続いては、不動産を活用した相続税節税の仕組みも、簡単におさらいしておきましょう。(今回の制度改正を理解するうえで必要な知識です)

先ほど、相続税の対象となる相続財産は、被相続人が亡くなった時点に所有していた「全ての財産」で、現金預金だけでなく、不動産や株式等の有価証券も対象となることをご説明しました。

では、現金預金はともかく、不動産や株式のように当該価値が変動する財産については、どのように計算するのでしょうか?

原則として、不動産の相続価値は“評価額“を用いて計算することになっています。

もう少し詳しくいえば、土地は「相続税評価額(路線価)」、建物は「固定資産税評価額」を根拠として財産評価することが通例となっており、この方法で計算すると、実際の売買相場(時価)よりも財産価値が低くなる傾向があります。(土地の評価額については、以下の記事も参考にしてください)

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<参考記事>
「1つの土地に5つの価格」って、どういうこと!?
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たとえば、生前に戸建ての不動産を5,000万円で購入したとします。

その後相続が発生した際、実際には買値の5,000万円前後で売却できる取引相場だったとしても、評価額から計算した結果が3,500万円だったとすれば、差額の1,500万円は相続税の計算に入らず、結果、節税に繋がります。

こうした“時価”と“評価額”の歪みを利用した相続税対策は、タワーマンションに限らず、不動産全般にいえることで、古くから節税手法の一つとして知られていました。

タワマン節税はこの仕組みを、更に積極活用した節税方法です。

マンションの土地の評価額は、マンション一棟の敷地にかかる評価額を、戸数あたりの持ち分で按分することとなっています。

そのため、タワーマンションのように一つの敷地に多くの戸数を抱える集合住宅では、1戸あたりの土地持ち分が非常に小さくなり、土地の評価額も同様に小さくなります。

更に、売買時価の観点からは、タワーマンションでは景観が良くプレミアム感のある上層階や最上階は高く売買される傾向があり、これらを組み合わせることで、強烈な相続税の節税効果が発揮できたわけです。

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■タワーマンション節税は完全に終了してしまう!?

では、今回の制度改正は、どのようにメスが入るのでしょうか。

国税庁によると、現行制度では、特にマンションにおいて相続税評価額と市場価格の乖離が著しく、約65%が市場価格の半額以下の評価額となっている点を課題視したとのこと。

そして、先ほどご説明したタワーマンションならではの事情も鑑み、以下のような改正案の方針が示されています。

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<改正案の方針>
●相続税評価額が市場価格と乖離する要因となっている築年数、総階数(総階数指数)、所在階、敷地持分狭小度の4つの指数に基づいて、評価額を補正する方向で通達の整備を行う。

●具体的には、これら4指数に基づき統計的手法により乖離率を予測し、その結果、評価額が市場価格理論値の60%(一戸建ての評価の現状を踏まえたもの)に達しない場合は60%に達するまで評価額を補正する。

【出典】国税庁ホームページ 令和5年6月30日付
『マンションに係る財産評価基本通達に関する有識者会議について』より抜粋
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上記資料によると、戸建ての相続税評価額と市場価格の乖離は平均1.66倍とあるため、改正案で示された乖離率上限60%はこれを意識したものと推察できます。

つまり、相続税対策としてのタワーマンションの旨味は完全に失われますので、改正案とおりに実施されれば、2024年度からはタワマン節税が完全に封じられることとなるわけです。


いかがでしょうか。

前述したように、今回の増税ターゲットは資産家層・富裕層が中心とはいえ、連日のように増税の報道ばかりで気が滅入りそうになりますよね。

節税目的のタワーマンション購入がなくなることで、タワーマンションの価格下落、ひいては不動産価格全体への悪影響も心配されるところではあります。

制度改正の詳細はこれからではありますが、果たしてどんな結末を迎えるのでしょうか。

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